寡婦になった当時、仕事は週2回のパート勤めだった。 夫が仕事大好きだったので、私は時間の融通のきく主婦だった。 パートでも、公務員のような職場だったので、夫の忌引…
夫が見えない存在になってから、すぐに、親戚にアドバイスされたことはお金を手元に置け、だった。 まことしやかに噂される、死亡届の後には銀行が凍結される、という話だ…
夫はこの世を去ってしまったけれど、夫にやましいことはなにひとつなかった。 どうして私たちを残してこんな決断をしたのか、それは夫にしかもはやわからない。 そのかわ…
警察からの電話があっても、しばらくのやりとりでは事故なのか、事件なのか、はっきりしたことは教えてもらえなかった。 最初の電話が17時頃。 20時頃、やっと、警察が、自…
ある日突然知らない電話番号から、着信が残される。 日頃から知らない番号は出ないし、わからない時は検索するので、ネットで電話番号を調べてみる。 警察署の番号だ。 …
人が亡くなった時、理由を言いにくいのが自死の特徴だと思う。 病気で闘病してて。 事故で助からなくて。 突然死で。 こういった時、聞いた相手は驚きと共に間違いなく悲…
判断しなければならないものは次々とやってくる。 お骨をどうするか。 墓をどうするか。 四十九日をするのか。 やるなら、位牌をはじめとする仏具をどうするか。 死んだこ…
喪主の次は死後の家とも言える、仏壇をどうするか、だ。 買ったこと、ない。 さらに、仏壇のない家で育ったので、何から考えたら良いのか、まったくわからなかった。 ま…
寡婦になって、たくさんの、初めての体験をした。 驚くことばかりだ。 実際は、泣きながら驚いているのだが、ここでは悲しみについて強調はしない。 大前提として、ものす…
私にとって、まったく側になかった「自死」。 小説の中、ドラマの中、ニュースの中でしか知らなかった事。 元気いっぱい明るくて、活発な夫がまさか自死するなんて信じら…
まさかの出来事。 大好きな夫が自死しました。 その後の出来事は、なかなか人には話せずにいます。 考えていること、困っていること、悲しいこと。 それだけでなく、暮ら…
主婦から寡婦
2023年10月20日 20:05
寡婦になった当時、仕事は週2回のパート勤めだった。夫が仕事大好きだったので、私は時間の融通のきく主婦だった。パートでも、公務員のような職場だったので、夫の忌引きは6日間も頂けた。ありがたい。しかしその6日間で出来たのは、びっくりして空を見上げることと、子供を気遣うこと、遠方の義父母を待って葬儀をどうするか決めることぐらいだった。とにかく、手続きの連続。その度に、電話口で「死亡した
2023年3月19日 15:55
夫が見えない存在になってから、すぐに、親戚にアドバイスされたことはお金を手元に置け、だった。まことしやかに噂される、死亡届の後には銀行が凍結される、という話だが、私の体験をお話ししよう。勝手に凍結されることはなかった。全ての金融機関、保険、カードなど、こちらが手続きしない限り、勝手に凍結や解約されるものは一つもなかった。むしろ、アドバイス通りにお金を下ろした結果、後で解約する時に、ゆ
2023年3月18日 22:32
夫はこの世を去ってしまったけれど、夫にやましいことはなにひとつなかった。どうして私たちを残してこんな決断をしたのか、それは夫にしかもはやわからない。そのかわり、私がはっきりと言えるのは、私は夫のことを愛しているということ。これからも、ずっと。彼はそれなりにモテたと思うが、残念ながらもう永遠に私の夫であり、浮気もできない身となった。生きていた時も、私を大切にしてくれたし、なにより子供のこ
2023年3月18日 22:20
警察からの電話があっても、しばらくのやりとりでは事故なのか、事件なのか、はっきりしたことは教えてもらえなかった。最初の電話が17時頃。20時頃、やっと、警察が、自宅に行くから家にいるように言われる。どうやら、亡くなったらしいが、原因はわからない。というより、まったく、なんにもわからない。何が何だかわからない。何かの間違いだと思う。21時。普通の車で、目立たないように警察の方が来て
2023年3月11日 10:16
ある日突然知らない電話番号から、着信が残される。日頃から知らない番号は出ないし、わからない時は検索するので、ネットで電話番号を調べてみる。警察署の番号だ。なんだろう?落とし物かな?なんか交通違反したっけ?初めに浮かんだことはそんなこと。夕方で、出先だったから家に帰って掛け直すと、担当部署に繋がれて、私の名前や住所を確認される。まだこの時点で、落とし物か何かだと思っている。
2023年3月10日 20:19
人が亡くなった時、理由を言いにくいのが自死の特徴だと思う。病気で闘病してて。事故で助からなくて。突然死で。こういった時、聞いた相手は驚きと共に間違いなく悲しんでくれると思う。余計な詮索や、ひやかしの無い、シンプルな悲しみだと思う。それと比較して、自死はまず相手に言いにくい。自分でって、何かやましいことでもあったの?と思う人も少なからずいるからだと思う。では、これこれこういう理
2023年2月26日 20:20
判断しなければならないものは次々とやってくる。お骨をどうするか。墓をどうするか。四十九日をするのか。やるなら、位牌をはじめとする仏具をどうするか。死んだことも受け入れられていない状態で、次から次へと課題が湧いてくる。宗派、お寺、各家庭や地域の慣わしで、正解はない。だから、こまる。葬儀の方がまだ、プロの方が導いてある程度決めてくれるが、ここからはかなりの難問だった。まず、夫の両親
2023年2月22日 21:33
喪主の次は死後の家とも言える、仏壇をどうするか、だ。買ったこと、ない。さらに、仏壇のない家で育ったので、何から考えたら良いのか、まったくわからなかった。まず仏壇を買うかどうか。そこからだ。それによって、位牌も作るかどうか、作るなら大きさをどうするか、決まってくる。夫は長男で、実家にも仏壇があった。しかし実家は遠方だ。それにより①仏壇を新たに買う②仏壇は買わずに、実家に位牌を
2023年2月21日 19:22
寡婦になって、たくさんの、初めての体験をした。驚くことばかりだ。実際は、泣きながら驚いているのだが、ここでは悲しみについて強調はしない。大前提として、ものすごく悲しいから。夫が見えない人(つまり死んでしまって)から、最初の難関は葬儀だ。たいして葬式なんて行ったこともないのに、いきなり喪主。あまりのことに、苦笑いするしかなかった。私たち家族は、近所に知られたくなかったので、セレモニ
2023年2月18日 15:27
私にとって、まったく側になかった「自死」。小説の中、ドラマの中、ニュースの中でしか知らなかった事。元気いっぱい明るくて、活発な夫がまさか自死するなんて信じられなかった。(今も、ひょっこり帰ってくるのではないかとおもっている。)家族も仲良く、仕事も順調。人が羨ましいと言ってくれるような、普通の、幸せな家族だったと思う。それが突然。理由は仕事上の悩みだったようだ。夫にとっては、許
2023年2月18日 08:47
まさかの出来事。大好きな夫が自死しました。その後の出来事は、なかなか人には話せずにいます。考えていること、困っていること、悲しいこと。それだけでなく、暮らしていく上で済ませてきた手続きや工夫。人にも言えず、人にも聞けず、現在進行形で死別と向き合う寡婦の記録です。