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自死だと伝えるか問題

人が亡くなった時、理由を言いにくいのが自死の特徴だと思う。

病気で闘病してて。
事故で助からなくて。
突然死で。
こういった時、聞いた相手は驚きと共に間違いなく悲しんでくれると思う。
余計な詮索や、ひやかしの無い、シンプルな悲しみだと思う。

それと比較して、自死はまず相手に言いにくい。
自分でって、何かやましいことでもあったの?と思う人も少なからずいるからだと思う。

では、これこれこういう理由で自死したみたい、と理由まで間髪入れずに伝えるのかと言うと、それも案外難しかった。

言いにくいけど、実は自死で、、、
と、伝えたら、大人ならそれ以上理由を聞かない優しさももちあわせている。
そうなると、説明のタイミングを失って、聞いた人の受け止め方にお任せするしかなくなっていく。


自死なんて何があったのだろう?
ハラスメントや過労?
トラブル(借金や不倫など)で追い詰められて?
生きるのが辛くて?

いずれにしても、受け止め方はさまざまで、中途半端に自死であったことを伝えるのは誤解を生むリスクがある。
もしくは、噂の対象になったり、詮索されたり、決めつけられて変なアドバイスされたりする覚悟が必要だ。

だから、言いにくい。
もしくは、誤解なく伝えることは難しい。


では、私はどうしたのか。

自死だったと伝えたら、私の親しい人はみな、それ以上何も聞こうとはしなかった。
けれども、誤解されたくなかったし、(夫の選んだ方法はともかくとして)決意に至った理由はやましいものではなかったので、遺書にはこう書いてあったから理由は〇〇みたいだ、と付け加えた。

そこまで話せる相手、自分の気力がないと、自死を知らせることは難しいかった。
そして、この人には知ってほしいと思う人たちはそのまま、ありのまま、聞いてくれた。
(付き合いの浅い人、職場の人など、親しくても突然死だと嘘をついている相手もいる。)

夫の父母兄弟は、親戚にも、突然死と伝えてあるようだ。(それもなんだか、モヤモヤするけど、その話はまた別の日に。)

とにかく、自死は残された人の苦労は大きい。
理由一つ伝えるにも、気力体力が必要。

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