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Canon EOS IX50(1998年~)

EFマウントを持ったAPSフィルム用の一眼レフカメラ

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1998年はまだまだフィルムカメラ全盛時代でした。デジタルカメラは登場していたものの、価格のわりに画素数も少なく、少なくとも「一眼レフカメラに遠く及ばない」と、そんなカメラ愛好家ばかりでした。

そんなおり、それまでの35mmフィルムとは一線を画す「APSフィルム」が登場しました。IX240と呼ばれる写真フィルムは、35mmフィルムより一回り小さいものの、フィルムカートリッジを入れるだけで撮影ができるだけでなく、撮影途中のフィルムを取り出したあと再装填して撮影でき、さらにはフィルムカートリッジ内に磁気記録ができる。といった、まさに新世代の写真フィルムでした。

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カメラ好きな私がこれに飛びつかないわけがありません。当時からキャノン信者であった私は、35mmフィルムの一眼レフカメラを所有しているにもかかわらず、この異彩を放つ一眼レフカメラを衝動買いしました。

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さいわいだった。というか、そもそもキャノンの狙いに乗せられたわけですが、キャノンのAPSフィルム専用の一眼レフカメラのレンズマウントはEOSシリーズ共通の「EFマウント」でした。すでに何本ものレンズを所有しているキャノン一眼レフの信者たちにとって、このカメラはすんなりと「買い」だったわけです。


しかし・・・。

今、振り返ると、私はこのカメラで一体何枚の写真を撮ったのでしょうか?

おそらく、2本・・・いや、3本といったところでしょうか?

考えれば当たり前の話でした。このフィルムは現像をしてもカートリッジに入ったままでした。あとから自分でプリント投光器で焼き増しができるわけでもなく、そして、なによりも「35mmフィルムより小さい」ため、画質は35mmフィルムより圧倒的に劣っていました。いえ、実際にはそんなに差はなかったのかもしれません。でも、カメラ愛好家というのは悲しい生き物です。どんなに言い繕っても、心の中では「スペック」こそが重要で、そのスペックをわざわざ落とすような自身の行為に納得などできるはずがなかったのです。。

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数十年ぶりにIX50を触り、電池を入れてみたら、フィルムが入っていました。なにを撮ったのか、まったく記憶がないです。

そのことよりも、このカメラに装着されていたEF28-80mmズームレンズのことがまったく思い出せない。いや、IX50を購入したとき、一緒に買っているのだけは覚えているのだけど、なんでこのレンズを買ったのか? おそらくは「せっかく小さなIX50を買うのだから、コンパクトで守備範囲の広いレンズも買うべきだ」と、熱病にでもかかったかのように購入したのだと、そう思います。


令和になっても、フィルム写真をやっています。先日もEOS-1で撮影したTRX400を現像に出しました。

しかし、残念ながら、このIX50でふたたび写真を撮る機会は・・・やっぱり無いと思います。

APSフィルムは、当初のふれこみでは35mmフィルムに代わるとまで(一部で)言われたにもかかわらず、結局、ほとんど普及することなく写真がデジタル写真に取って代わられはじめた2003年には多くの人の記憶から忘れられていきました。

不遇のカメラ。EOS IX50のお話でした。(完)