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《光の授受》の挿話 ウルトラマン第1話の形態学 〜コラム(1)〜


2000年代までの、主人公([1]の凡例参照)の存在するTV放映シリーズのうち『ウルトラマンネクサス』だけは本稿で採り上げていません。『ネクサス』はどこから見ても独自性の強い作品であることは周知の通りですが、本稿の観点から見ても、不同型でありながら唯一第1話に《光の授受》を含まず、しかも同じウルトラマンに変身する「主人公」が複数にわたるという、たいへん特殊な形を取るため、同じ土俵で採り上げることは断念しました。ただし、これは『ネクサス』が「とるに足らない」作品だということを意味するのではない、ということも急いで付け加えておきたいと思います。『ネクサス』の作品世界については、当方の鑑賞・検証がまだまだ不十分なまま…というのが正直なところです。

そんな私にも確実に言えることは、この2021年現在においても、ウルトラマン自体の意匠の完成度/造型美においては未だネクサスに勝るものは出ていない、ということでしょうか。ネクサスは、成田亨─高山良策の生んだ稀有なる意匠存在としての初代ウルトラマンの、形態進化の一つの到達点として本質的な回答になりえている、好き嫌いの次元を超え、十二分に優れた出来映えであると考えます。

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