出会えてよかった人。
いろんな人がいる。
三人の娘たちを育てているうちに、私はたくさんの人と関わりながら生きてきている。私一人だけではきっと出会うことのなかったような人たち。
幼児園の保護者役員も、小学校の学級委員も、子ども会の会長も、クラブの育成会会長も、高校の地区役員も、三人もいるといろいろな役をいただいてきた。そのたびに、思うのは
「いろんな人がいる」
ということ。
一緒に役員をやりながら、気持ちよく働いてくださる方も多いけれど、中には「なんで私が」とか「暇じゃないんで」とか「こんなこと…」と、あからさまに態度に出される方もいる。
でもみんなお仕事があったり、介護があったり、体調が悪かったり、いろいろな事情もあるのだから、そう言いたくなってしまう心理状態なときもきっとあるのだろう。私が見ているこの人のこの姿はきっと一部で、本当は、あるいは本来は、ずっと優しい人なのかもしれないのだし。そうじゃないことも、もちろんあるだろうけれども。
必要以上に関わりを持たないように、役割に専念し、やっていくようにする術も身につけた。
あまりアクの強い人と一緒にいると、私は当たってしまうのだ。食あたりならぬ人あたり。ひどいときには本当に寝込んでしまうので、ちゃんと立て直しルーティンも確保しておかないといけない。傾向と対策は身につけておくこと。
家族に話す、信頼のおける友人に相談する、ちゃんと一人時間を持つ、いつもよりも時間に余裕を持つ、好きな曲を聴く、面白いネタで笑う、猫を吸う。
最近も、「人あたり」してしまったのだけれど、天使みたいに献身的な人の働きっぷりにずいぶんと救われた。
彼女はまだ小さな(8ヶ月)の赤ちゃんを抱きながら、私の苦手な会計や数字関係をサクサクとこなしてくれて、「チェックお願いします」と可愛らしい声で電話してきてくれる。わかりやすくスッキリまとめられ、整然とした書面に、
「すごい!!よくこんな細かく計算したね!」
「わかりやすいよ、すごい!ありがとう!」
と送ると、ニコニコしたスタンプが返ってくる。
いろいろ打ち合わせをしていくうち、私は文章やお知らせ用のイラスト、彼女は会計面と、それぞれの得意がいかされてきた。
「柊さんの文章、わかりやすくて素敵です!」
「ほっこり優しい気持ちになる絵です!」
と褒めてくれて私もニコニコのスタンプを送る。
とても素直で、ちゃんと本質をわかって動く人。
みんなが嫌がることを、率先してできる人。
「柊さんがいてくれてよかったです!」
「こちらこそだよ!!ホントありがとう!!」
一回り以上も年下で、まだまだ小さな赤ちゃんがいて、きっと大変だろうのに、彼女のおかげであらかたのことは片付いてきた。彼女がいなかったら…と思うとゾッとしてしまうほど、そのくらい毎日、密にやりとりをして進めてきたのだ。
彼女がいてくれて本当によかった。
いろんな人がいる。
いろんな人がいて、こうやって素敵な人に出会えたりすることもあるから、私もそういう人に恥ずかしくない働きができる人でいようと思う。
「いてくれてよかったです」
そんな人でいたいと思う。
そんな人を大切にしたい。