コミュニケーションの原則を活用する

◉コミュニケーションは相互に拘束し合う。
※コミュニケーションは互いに制限し、規定し合う。

◉先行するメッセージは後続するメッセージを制限する。
※接続詞と助詞を工夫して随伴性を活用する。

◉情報とは差異を生む差異である。
※ひとつよりふたつの方がより良い、要素と要素の差異から新たな情報が生まれる。

◉ものの名前は名づけられたものとは違う。
※言葉には意味する機能と、意味される機能がある。言葉で説明するほどそのものから遠ざ かる。あるいは地図は土地ではないこと。

◉メッセージには意味する(外延)機能と意味される(内包)機能がある。
※denotation(外延)と呼ばれる明示・直接的な機能と、connotation(内包)と呼ばれ る暗示・間接的な機能がある。

◉関係性はコミュニケーションの形態につけられた名前である。
※関係性そのものが存在するわけではなく、関係性も枠組みに過ぎない。またコミュニケー ションの形態は相称性(symmetry)と相補性(complementarity)で見立てられる。

◉メッセージの内容は文脈に規定される。
※コンテクスト(文脈)に働きかける。

◉コミュニケーションには言語(デジタル)と身体(アナログ)のやりとりがある。
※言葉と身体の不一致を観察し、意識と無意識の二つのレベルにコミュニケーションする。 意識と無意識のニーズが一致した時に、その人本来のニーズや欲求が変化を促進する。

◉コミュニケーションには内容(報告機能)と関係(命令機能)という二つの機能がある。
※内容レベルでは情報を伝達し、関係レベルでは情報に関する要求をしている。また関係レ ベルのコミュニケーションは情報に関する情報なのでメタ・コミュニケーションとなる。

◉人は枠組み(フレーム)を使って理解する
※現象を枠組みづけることで対応し、その枠組みを使ってコミュニケーションをとっている。あるいは人は現象をその人の視点から切り取る(パンクチュエーションする)ことで枠 組みづけている。

◉心理的フレームは二重枠を必要とする
※外枠(コンテクスト)と枠組み(フレーム)という二重枠であり、言葉や意識のレベルで は文脈や状況(コンテクスト)に適合した枠組み(フレーム)を使って活動している。つま り、言葉や意識のレベルでは、文脈や状況に枠組みを定位させて外界に対処している。

◉枠組み(フレーム)から注意が向けられる。
※言葉や意識のレベルでは、枠組み(フレーム)は前提となり、それ以外の情報を除外し、 それを強化していく。身体や無意識のレベルでは、定位はされず、目の前の現象に素直に反 応し、出たり入ったり離れたり合わさったりする特殊な注意状態(トランス)となる。

◉言葉の枠組み(フレーム)は階層性を持つ
※ある一連の出来事に対して、人はそれぞれの視点から切り取った枠組みを持っている。そ の枠組みは様々なレベルがあり階層性を持って構成されている。実際のコミュニケーショ ンの繋がりに対して、その人がどのような枠組みを持っているのかを階層的に理解(枠組み 階層図を把握)することで枠組みの変更(リフレーミング)が可能となる。

◉部分は全体に影響し、全体は部分に影響する
※あるコミュニケーション全体の中で枠組みや行動といった部分が変われば他の部分にも 影響し、コミュニケーションにも影響を与える。その反対にコミュニケーション全体の文脈 や状況が変われば、枠組みや行動といった部分にも影響を与える。

◉全体は全体自身の部分にはなれない
※クラスとメンバーといった異なるレベルのものを混同することは言葉や意識のレベル (明晰な思考)で混乱を生む。身体や無意識のレベル(混濁した思考)では、異なったレベ ルや、A かつB、A もしくは B といった論理的な違いを同じように扱ってしまう。

◉部分と部分の対立は意識が葛藤し、部分と全体の矛盾は意識が混乱する
※部分の問題を全体へ戻せば意識は弛緩し、全体の問題を部分へ戻せば意識は収縮する。

◉二重拘束(ダブルバインド)は現状へ拘束する機能と現状から解放する機能がある
※治療的なダブルバインド(セラピューティック・ダブルバインド)はその人が矛盾する状態から抜け出す為に、どちらの行動をとってもその人の利益になる状況を作ること、それが患者にとってより良いフレームを提供する、または再構成することになる。

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