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【いつも笑顔の人】

いつも笑顔の人が
傷ついていないわけではありません

涙をこらえて
グッと息を飲んで耐えていることに
誰も気づいていなかったりするのです

本当に悲しい時
人は涙を流すことすら出来ません

じっと
空を見上げて
涙がこぼれ落ちないように耐えるのです

そんな姿を
自称傷つきやすい人は知りません

自称繊細な人は
笑顔で大勢と付き合っている人の
後ろに隠されたものに気づきません

何故なら彼らは
自分のカサブタを何度も剥がし
滲んだ血を眺めることに忙しいから

その人の
笑顔の奥には
幾千もの涙を流した日がありました

哀しみの海の中
血を吐くような思いをし
絶望に打ちひしがれ
人を恨んだことや
嫉妬に狂いそうになった夜もありました

いつも笑顔の人は
ある日決めたのです
いつも笑顔でいることを

いつも泣いているより
いつも羨んでいるよりも
いつも傷ついているよりも

どうせなら
笑顔でいよう!

いま起きている現実にも
きっと何かの意味があるはずだ

そこから逃げず

かといって
その感情に取り込まれないように

必死に自分の心の闇を見つめ

必死に見つめて
そこから抜け出すことを切望したのです

それしか
生きる道は
残されていなかったのかもしれません

笑顔の仮面ではなく
本物の笑顔を取り戻していくなかで

その人は
たくさんのものから手を放しました

怒り、怖れ、不安、悲しみ、妬み、恨み、憎しみ

1つ手放す度に

自信、優しさ、愛、平安、感謝、希望、勇気、信頼が

心の中に広がっていきました

「自分は大丈夫だ」

「自分は守られている」

そんな感覚が
広がっていって

「世界を信じよう!」

そう思えるようになりました

それでも
いつも笑顔の人の周りにも
まだ時々悲しいことは起きます

そんなときは
その人だってやはり傷つきます

周りの人達は
自分を守ることでいっぱいだから

本当はその人が傷ついていることに
気づかなかったりするのです

けれど

その人は
ひとしきり悲しみにくれたら

「さて
どうやってここから抜け出そうか」

と考えるのです

「ここは私がいつまでもいたい場所ではない
悲しみの海でずっと漂うのはゴメンだ」と

「いつまでも苦しみの中で過ごすのは選ばない」
そう強く強く心に決めるのです

その人の笑顔が輝いているのは
幾千もの暗い夜を過ごしたから

その人の笑顔が美しいのは
悲しみの海の底を知っているから

闇から抜け出たその人だから
強い光を放つことができるのです


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