【書評】熱狂顧客戦略
1億2000万人に向けて均一な情報を発信するよりも、濃密な関係の知り合いに向けたユニークな情報を発信する、いわゆるコミュニティ思考のニーズをひしひしと感じる今日この頃です。
頭を悩ませて考えても、「これ良かったなぁ」と思えるTVCMが思い浮かばなかったり、デジタル上の施策にしても、結局TwitterやInstagram、Tiktokで拡散される投稿のネタも、ダンスか、技巧イラストか、猫か、くらいなもののような気もするし、その状況もここ数年あまり変化がない気がしています。
企業が、人が、誰かに声を届けたいときに何をどのように届ければ良いのか?を考える時に、この本はとても大きな示唆を読者に与えてくれると思いました。
ヤッホーブルーイング、ほぼ日手帳、ホールフーズなど、実例を交えて、ファンの体験が商品・ブランドを中心にどのように発生したか?がとても生き生きと描かれおり、頭に入ってきやすいです。恥ずかしながらほぼ日手帳のファンの熱量についてあまり知らなかったのですが、Instagramのハッシュタグから検索すると、インサイトの塊みたいな検索結果が出てきますね..
モノが溢れる世の中、と言われてからも随分と経っていますが、そんな世の中でファンになり得る人を動かすのはブランドや商品の性能・ビジュアルではなくそれらが織りなす体験のエピソードなんだなぁと改めて実感しますし、それをプラットフォーム(Twitter、Instagram、Tiktokなど)を活用し、如何に分かりやすく発信できるかがデジタルコミュニケーションの鍵を握っていると思います。
最後に、書籍の表紙に"消費者は、嘘や退屈が嫌い"というコピーが入っていますが、まさしくで、企業は今後如何に誠実かつユーモアを持ってファンと向き合えるか、コミュニケーションにおける最重要ポイントだと思います。
(的な事をスライドでよく作るので入れておきます。)
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