「ティアラシンドローム」はアラフィフ世代にこそ当てはまる。

「ティアラシンドローム」という言葉を知っていますか？

「ティアラシンドローム」とは、女性が自分自身に対して過剰な期待を抱く傾向がある心理状態を指します。
具体的には、自分自身に完璧主義的な要求を課したり、他人からの承認を求めすぎる傾向があることです。
ティアラシンドロームを持つ女性は、自己肯定感が低く、自分自身に対して否定的なイメージを抱いていることが多いそうです。

ティアラシンドロームは、決して珍しいものではありません。
一般的には思春期から成人期にかけての女性に見られる傾向があると言われています。
しかし、社会的な期待やステレオタイプ、文化的な価値観が影響しているとされていることを考えると、昭和、平成、令和の時代を生きてきたアラフィフ世代こそおちいりやすいものではないでしょうか？

「ティアラシンドローム」の原因

「ティアラシンドローム」におちいるの原因は、さまざまな要因が複合的に作用していると考えられています。

原因その１　社会的な期待

女性は、美しくあること、優れた母親であること、キャリアウーマンであることなど、様々な役割を果たすことが求められています。
このような社会的な期待に対応するために、女性は自分自身を厳しく律し、弱音を吐くこともできないと思い込んでしまいます。
アラフィフ世代の幼少期はまさに良妻賢母がもてはやされた時代。
自分の母親が専業主婦であるということが大多数の時代です。
その後バブルを経て男女雇用機会均等法によって、キャリアウーマンであることを求められ、今共働きは当然という社会的な期待の変遷に翻弄されてきました。
このすべての役割を果たそうとして努力してきた結果、「ティアラシンドローム」におちいっているアラフィフ世代は多いと思われます。

原因その２　女性同士の競争や比較も

「ティアラシンドローム」の女性は、他人と比較して自分自身が劣っていると感じた結果、自己肯定感を大きく低下させてしまうことがあります。
アラフィフ世代は、団塊ジュニア世代。同級生の数も多く、競争社会、学歴社会の中青春を過ごしてきました。
多数の中での自分。同調圧力の中で比較しないで独りでいることは中々難しい世代でもあります。

原因その３　文化的美的な価値観

女性は美しくあることが求められるため、外見に対して過度な関心を持つことがあります。「ティアラシンドローム」を持つ女性は美しくいなければ自分に価値がないと考えてしまいます。これは自己肯定感の低さからくるものでもあるのですが、過度に、病的におちいるまで気にしてしまう女性がいることも事実です。

「ティアラシンドローム」におちいると…

「ティアラシンドローム」を持つ女性は、以下のような傾向があると言われています。

・自分自身に対して完璧主義
・他人からの承認を求めすぎる
・自分自身を否定的に見てしまう
・他人と比較してしまう
・外見が過度に気になる
・失敗や失敗の可能性に対して過剰な不安を感じる
・自己肯定感が低く自分自身を大切にすることができない。

「ティアラシンドローム」の影響

「ティアラシンドローム」は、女性の心理状態に影響を与えるだけでなく、様々な面に不都合が現れることがあります。

例えば、「ティアラシンドローム」を持つ女性は、ストレスや不安に苦しむことが多く、うつ病や不安障害に罹患するリスクが高いとされています。

また、「ティアラシンドローム」は女性の社会的な役割にも影を落とすことがあります。
自分自身に対して厳しい要求を課すことが多いため、キャリアアップに固執したりプライベートな時間を犠牲にしてでも目標を果たそうとします。

また、外見に対しても自己評価が低いため、病的なまでに見た目を気にしてしまいます。その結果、食事制限や過度の運動など、健康に悪影響を及ぼす行動につながる場合もあります。

「ティアラシンドローム」の克服方法

「ティアラシンドローム」を克服できるのでしょうか。
一般的には以下のような方法が効果的とされています。

自分自身を受け入れること

自分自身に対して完璧主義的な要求を課すことをやめ、自分自身を肯定するようにします。

他人と比較することをやめる

他人と比較することで、自分自身を否定的に捉えてしまうことがあるため、比較をやめ、他人は他人と割り切ることも必要です。

自分自身が興味を持つことを見つける

自分自身が楽しいと感じることに時間を費やすことで、自己肯定感を高めることができます。

専門家のアドバイスを受ける

カウンセリングや心理療法を受けることで、自分自身の問題について深く掘り下げ、解決策を見つけることができます。

身近な人とのコミュニケーションを大切にすること

自分自身に対して厳しい要求を課すことで周囲の人々とのコミュニケーションをおろそかにしてしまう傾向があります。
自分自身と周囲の人々とバランスを上手にとっていく必要があります。

外見に対してほどよい関心を持つようにする

外見を大切にすることは悪いことではありません。
しかし、過剰な関心を持つことは健康に悪影響を及ぼします。
ほどよい適切なバランスで外見をとらえる気持ちがを必要です。

私は「ティアラシンドローム」かもと思ったら

「ティアラシンドローム」は、女性が抱える心理状態の一つで、完璧主義的な要求や外見に対する過剰な関心などが特徴的です。
「ティアラシンドローム」には様々な影響があり、ストレスや不安、うつ病や不安障害のリスクが高まることがあります。

しかし、自分自身を受け入れることや、他人と比較することをやめることなど、克服する方法も存在します。
身近な人々とのコミュニケーションを大切にし、自分自身と周囲の人々とうまくバランスを取ることが大切です。
適切なバランスを取ることで、より健康的な心理状態を維持することができます。

自分の状態を冷静に見つめ直せれば徐々に「ティアラシンドローム」の状態から抜け出すことができるはずです。
簡単にできることではありませんが、周囲の協力を得ながら少しでも楽しい人生を送ることを考えて行動していくことが大切です。