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web業人からみる石丸伸二さん【自律分散型への思考】

 都知事選も終わり石丸さんが対談している番組が増え、その質疑応答の中から私が受け取った印象を書こうと思う。


「結局何をしたいのか分からない」への対応を見て

 「まずは3つの柱」「さらに分けて9つの軸」とし、丁寧に毎度説明した後は「youtubeを見てください」「ホームページに書いてあります」と。
そして別軸として前段には「東京一極集中」から起こる過密問題に根本原因があると。

これ、就労ビザで海外に住んだ経験がありweb3.0を齧っている身としてみると、とても面白い状況に見える。

1 政治再建

 私の持論としてコンテンツは終わらない、終わらせているのはいつも人。使い方次第でいつでも復活可能と思っているので、オワコンという現象は存在しないという考えではある。

 伝統芸能・工芸などは終わってないことからもそう思うわけだが、言葉を拝借するなら、オワコン化し興味を失った政治というコンテンツをエンタメ化する 、つまりは興味ごととしてまずは人々の生活に入れることを目指す。

  そして活動家などを介さずとも技術で民意を吸い上げ、過去そこから生まれてきたであろう組織・団体へ作用する事象などの一意に捉われず、必要に応じて適時物事を判断する。

 石丸さんはsnsの力を活かしそれこそ「使い方次第」で政治に興味を持たせることができた。不本意ながらも自身のミーム化を黙認し、是非の感性も不可侵を貫き許容する。もう都知事選の時点ですでに公約一つ、政治に興味を持たせることは、足掛かり程度でも達成している。

2 都市開発

 ご本人が述べているようにここは中期目標であり、1.政治再建が多分に作用しているフェーズ。自身で守れるもの、公共機関で守らなければならないものの判断をしつつ、災害対策・環境構築に必要なもの精査する。

 私の知る限りの情報で恐縮だが、成功者は取捨選択が上手いだけで、必要な場所には必要なものを割く。それが税の使い道などであっても、適正な使い道であれば文句はないだろう。
成功者というは実際には、制作物で見るような苛い人はないし、有事には力を貸してくれる。

 ドイツにいた時、世間話程度で聞いた知識。歴史的に小国をまとめて出来たという背景から、彼の国は図らずも衛星都市化している。ゆえに元々コンパクトシティ化していて、各々の州で差別化もされている。首都、商業、工業、金融など役割分担が州ごとに異なる。

 2.都市開発は、大きくは国内小さくは都内においてこうしたいのかなと言うイメージが受け取れた。

3 産業創出

 長期目標。学校環境を改善するのは初手だと謳っていたが、その子らが活躍するのは10年後、20年後。もしかしたら在職中ではその果実は見れないかもしれない。でもやるしかない。
 その間はインバウンドを呼び込み、コンテンツ産業を打ち手とする。また他の自治体とも連携して回遊型社会を構築する。

 円安への対応は外貨獲得、人口減少への対策は外貨流入に伴う一人頭GDPの増加。と私の意見。
私はweb関連の畑にいるので、インバウンドというよりはコンテンツで獲得することを目指しているが、その土台となる思考は同じに感じる。

 お金は血液というが、現在の日本は言わば心臓だけが動いてる状態。采配を担う中枢も機能しないでは意識不明状態と例えていいかもしれない。毛細血管にも血流が行き届かなければ壊死が始まる。(始まっているかも)

これに投げかける 「具体的には?」

 この質問が私にはすごくナンセンスに感じられた。みなが聞きたいこの部分は公約で言うところの中長期的なフェーズだからだ。

 「あなたは5年後10年後どこで何をしていますか?方針ではなく具体的に答えてもらえますか?」・・・いや、答えられない。答えるなら「例えば・・・」から始まるに決まっている。

 iPhoneもなかった2005年の自分に同じ質問をして「2010年はsnsします」と言えているだろうか。きっと、snsとはなんぞや、なんでプライベートを呟かなきゃならんのじゃ、だろう。
 どういう技術や企業が現れ、それをどう使うか。そこを担う公約が1.政治再建の3軸目、「政策を合理化・適正化します!」だ。

 仮に具体案を述べた場合を想像してもナンセンスさがわかる。
例えば今日、中長期目標で何するかをズバッと、「〇〇を使って××をします」と謳ってしまった場合、〇〇に重大な欠陥もしくは、圧倒的上位互換のシステムやアプリが出現した際、小回りが効かない。事業者であれば苦も無くこの危ういロジックに辿り着く。

箸休め

 昔からずっと裁判も選挙も勝ち負けという表現が好きではなかった。裁判は真実が判っただけなので、有罪・無罪の表記でいいと思うし、選挙は票が一番多い人が選ばれるということで、当選・落選でいいと思う。イレギュラーは除いて大筋の意見はこんな感じ。

 「司法が下した判断に従う」まではみな同じ意見。判決が下ったから謝らなければならないという意見が見受けられる。ん?冤罪で苦しんでる方にもそれ言えるのかな。。。
君は冤罪だから無罪勝ち取れ!石丸さんは判決下ったから謝れ!ってダブスタなロジックなのか。はたまた冤罪だろうが判決出たんだから謝れ!って思考なのか。。。聞いてみたい。

【お断り:調べてもないし、かの判決にどうこう意見するつもりは毛頭ない。一つ上のレイヤー、その思考・言動理念の話】

「新党」発言への対応を見て

 個人的に一番ここが面白かった。というかこの記事を書こうと思った理由がここにある。(急遽だから乱文だったりしますw)

 石丸さんが、「あ、誰にも伝わらないんだな」って顔したように見受けられたやり取りがあった。それは「リーダーシップ」「率いる」といったフレーズが出た時。私にそう映っただけかもしれないが。

石丸さんの

・その何百人も手を挙げろ
・人を待つんじゃない
・自分でやれ

に対して

・でも石丸さんがこの指とまれを先にしなければ、、、
・コントローラー持ってくれたら、、、

という返しがあった。

 石丸さんは前段に自身を「独立した立場」であるとし、「(意見を言う人は)そう思う人がそうしたらいい」と言っている。また、自分はファーストペンギンであり後続が続くとも。多分、後続のことは都のみならず、地方も含んでいる。

 (私的に)これにしっくりくる考え方がある。自律分散型組織、DAO。
現行のDAOはその理念を完全に踏襲しているとは言えないものがほとんどだが、サトシ・ナカモトの構築したブロックチェーン技術を拡張したそれは、リーダーなどおらずそれぞれがそれぞれの役割を全うする。
 見返り・報酬もまた、"役職"という立場にではなく、成果にのみ反映される。動いた者にのみ動いた分だけ。現行の歪みのある資本主義とは違い、対価ではなく、作業と等価で遂行される、当初の資本主義の理念そのものといった構成組織。

 だから新党なんてものではなく、勝手に動いて欲しいのだろう。絶対優位ではなく比較優位。それは現場の人しかわからない列島津々浦々の魅力。新党発足したとて組織はいずれ腐敗する。

 それを知っているから自分の元に集まるのではなく、自ら正しいと思えることを現場でしてほしい。現場で票を取った者が、党利党略で稼動する現行の社会構造を各個打破して欲しいと。

 しかし中央集権型の社会しか見てこれなかったこれまででは、およそ自律分散型の社会構造を想像できないのだろう。「中央が必要だ。道をさし示してくれ」に対し「手を挙げて、自分でしろ」というのは、自律し分散している次の社会システムを見据えているからこそ出てくる言葉なのかなと。

締め

 もはや減税やその場しのぎのバラマキみたいな、いわゆるポピュリズムに民意は騙されはしない。バラマキの効果で投票先を決めている身内を聞いた事がない。冷ややかな反応がほとんどだ。

 これはもう組織票や比例代表で議席に座れるシステムの弊害と言って良い。そんな愚策が票数につながると錯覚している。

 雌雄を決するのは今のところ政策では無く組織票。だが今回の選挙戦でその牙城も崩れ始めるだろう。ピラミッド型の旧来の組織は力を失い始める、自律分散。

 ご近所付き合いやらしかなかった時代とは違い、自分の活動に影響を及ぼさない場所で生きる事がいくらでもできる時代だ。人気取りをしたとて4年後落ちる世界線が近づいてきた。

 令和の一向一揆と掲げるところもあり、もうそう遠くない未来にそれは起こる。20年前インターネットを使い始めた当時40代は、今60代。高齢者に差し掛かる層もネットを使え情報取集できる。

 一向一揆は信仰で集まった者たちが起こしたらしく、どちらかといえば土一揆か?まぁネット戦線だしさしずめ「電一揆」といったところだろうか。

 右、左、ポピュリズムやその他の主義主張、貶めるために使う言葉ならなくて良い。自ら名乗っている場面を見た事がないのだから、侮蔑として使うならそんな表現すらいらない。

 わざわざ人を叩くための文字数を使うなら、傾倒している候補のために賞賛の文字数を使った方がみなハッピー!とか言ってみたり。

 これまで付き合いで政党に協力していても、ふと日々の疲れを癒す湯船の中で思い浮かべるあの人に投票できるのが民主主義のいいところ。

 元首相や大統領選候補への銃撃は「暗殺もしくは未遂という卑劣な犯罪」である。これが重罪であることは揺るがない事実であるが、反面、自身の主義主張を押し通したいがために、無理やり関連付け「民主主義への冒涜」などと利用する人がいる流れはなんだかなぁと思う。

 銃撃という凶悪犯罪ではあることと、果たしてそれが民主主義へ向けられた銃口かということは明確に課題を分離すべきだ。
私にとっては、事件を利用し自分の主義主張があたかも正しいように事件との関連付けする方がはるかに「民主主義への冒涜」に感じる。(もしそんな人がいたらの話)

 成人してから全ての選挙に投票してきたが、主たる目的は政治の文句を言うためだった。参加したからには意見させてもらおうでないのと言う具合。

 今回の都知事選を見てきて思うのは、(都民ではないので投票こそできなかったものの)文句ではなく楽しかったなと。個人的に全てが初めて見た光景で56人全てを楽しめた。(深掘りはしてないので、詳しくは聞かないでw)

 明治維新やフランス革命もある1日で全てが終わったわけではなく、何かのきっかけから数年(数段階)を経てなされたもの。今回の結果も「やっぱりかわらない」ではなく、確実にここから始まる電一揆を成す第一歩目と言う印象を受けた。

学習も運動も趣味も1日で成す事は無いわなーとか、まぁ当たり前のことを言いつつ、長々と書いてきた勝手な解釈はこの辺で。

楽しもう。日本。
ありがとう。56人の候補者の皆様。

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