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『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』 すごい金をかけたキャメロンの箱庭。

『アバター』から13年ぶりのキャメロン監督作にして続編。
3D字幕版で鑑賞してきました。その感想です。

CG映画のトップランナー。

本作最大の見どころは、映像技術になるでしょうか。
最先端のメカがふんだんに使われ、CG技術の見本市となっております。
そのことについては、『CINEMORE』の大口孝之さんの記事に極めて詳細にまとめてあったので、そっちをおすすめ。

キャメロンのような監督が、巨額の予算をつぎ込んでこういった技術や手法を開発、実験してくれるのは後発のクリエイターにとっていい土壌になるのかなと思ってます。いいぞキャメロン…!って感じです。

HFL(ハイフレームレート)、ヌルヌルの映像。

大口さんの記事でも触れていますが、本作では通常のフレームレート(24fps)ではなく、ハイフレームレート(48fps)の映像が一部使用されています。

アクションなどのスピーディーなシーンが、めっちゃヌルヌル動きます。否定的な意見になりますが、一瞬ゲームっぽいと感じました。(途中から慣れた)

こういったヌルヌルの映像って、まだ映画ではぜんぜん一般化してなくて、ただ単に見慣れてないだけだと思うので、大した問題ではないと思いますが。

ついでに3D映像について言うと、「もっと手前に飛び出して欲しかった」などの意見を聞くんですが、それでは、スクリーン内の映画の世界とスクリーン外の現実との境界が意識されてしまって、没入感はかえって削がれてしまうんじゃないかと思います。なので奥に向かって立体になる映像は個人的にはベストな選択だと思います。

いまいちなところ。

ストーリー面はあまりいい評判を聞かない。各所でいろいろ指摘されている模様。
一応言うと、3時間12分の上映ですが、眠たくなることはありませんでしたよ。十分鑑賞に耐えうるレベルだと思います。(2度3度は見ないかもね…)

そして今作の舞台は森から海へ、『ナショジオ』『スクリーンセーバー』『ラッセン』などと形容されております。綺麗だと思う人と、空虚だと思う人で二分。クリスマスにイルミネーションを見に行くやつか、そうじゃないやつかの分水嶺がここに。

敵役は復活したクオリッチ大佐と捕鯨団体(環境破壊するやつら)。前作と同じ対立構造が繰り返される…。家族の描き方も、家父長的だという指摘がちらほら。この辺に新鮮味はないかもしれないですねー。新しい視点を提示して欲しかったかも。

とはいえ、『ウェイ・オブ・ウォーター』はアバター5部作の2作目なんだそうで、シリーズはまだ。むしろこれからの作品の方が本番だろう(と思いたい)。アバター破に期待。

アバ体験。とはなにか。

個人的にはキリという新キャラが一番好きです。観察者の視点を持っていて、母親譲りの性格を見せるのがなんとも…。浅瀬で砂に耳を当ててただ音を聞いたり、自然を観察する楽しさみたいなのを体現してくれていると思いました。浅瀬にカメラが潜り込んだりする視点は、その中に入って遊んでみないと見えない景色ですよね。

次男坊のロークが、クジラっぽいタルカンという生き物と遊ぶ瞬間も(予告にもある映像ですけど)水面を逆さまの視点で滑っていくシーンなんですが、その世界を遊ばないと見えない景色というのは、素直に美しいと感じれる部分だったと思いました。

広告文句に「アバ体験」というワードが使われているんですが、本作の見どころも「体験』に尽きるんでしょうね。似た系統の『DUNE 砂の惑星』は「シネマエクスペリエンス」と言う文句で宣伝されており、世界観の構築具合を味わう、異世界に入る体験そのものがエンタメな映画なんだと思います。

製作費がべらぼうに高いらしく、歴代3位くらいの興行収入を上げるのがノルマだそうです。やばいですね。赤字になったら続編の製作が危うくなるそうなので、みんなで映画館に行きましょう。




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