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投資で的中を続けるプロ投資家の推奨銘柄は、信頼できるのか?

先週末、いまの日経平均株価は危ないから止めといたほうがいい。

とnoteに書いた。


☆☆☆



こういうことが繰り返されると、たまに、読者様方の一部から、無意味に信頼されることがある。

黒須さんの言ったことがまた当たった!

また的中した!

みたいに。

果たしてこれはミクロ経済学を使った場合、ゲーム理論的に、的中を続けるネットインフルエンサーを読者の方々は信頼してもいいのか。


よく書籍などで目にする、株で成功し資産10億円築き上げた投資成功マニュアル!

みたいな本が本屋さんにはたくさん陳列されている。

これらは果たして、信頼に足り得る代物なのか。

社会科学を使ってみよう。


たとえば、初期投資額100万円で10回連続的中して10億円にした投資家が居たとする。

毎回投資推奨が的中し、1回当たりで資産を2倍ずつ増やしてきた。

それが10回連続的中し、資産が10億円まで達した。

それをネットで書き込んでいたら、目ざとい出版社から出版オファーが来て本になった。

これが私たちが本屋さんで目にする、または、Amazonで販売されている、売上上位の「投資で資産10億円まで増やしました。その投資手法をすべて公開します!」などと謳った投資本の正体である。

これの厄介なところは、実際その著者が億り人になっており、既に資産を10億円投資で稼ぎ所有しているところにある。


このテーマ、理論物理学者などが暇でゲーム理論組んでて、論文読んで笑ってしまったので、その論理性を紹介する。

まず、投資で10回連続的中する確率はどれくらいか。

投資とは上がる、下がる。の二者択一。

要するに50%の確率で皆的中する。

そこら辺を歩いている気の良いおじいちゃんや、3歳の子供でも、50%の確率で的中させることができる。

今回の自分もただ50%の確率で日経平均株価の動きを言い当てたに過ぎない。

さて、これが10回連続で的中し、100万円が10億円になる確率は、どれくらいか。

高校一年生の数Aで習う。

2の10乗。

数学的に書くと2^10。

2*2*2*2*2*2*2*2*2*2。

1,024分の1。

確率にして0.09765625%。

無差異に(てきとうに)上がる、下がるの丁半博打をすると、1,024人の投資家に一人が10回連続で投資推奨銘柄が上がったか下がったかを的中させることができる。

小学1年生を1,024人集めて日経平均株価が今週上がるか下がるかを言い当てっこすると、1,024人に一人の子供が10週連続で日経平均株価が上がったか下がったかを連続的中で言い当てることができる

これをマスコミは天才小学生などと言う。

そこに科学はない。

ただの丁半博打。

運。

だから1,024分の1の確率で的中させ資産を10億まで築いた投資家やFXトレーダー、投機家の投資推奨マニュアル本はすべて役に立たない。

そこに科学がないため。

再現性がないため。

同じ相場は二度とやってこないためである

でも、売れる。

Amazonで売上ランキング上位に入る。

売れるから出版オファーが来る。

で、その人の本は役に立たないことが数年後立証され(それは、本が売れた後だ)、数年後、本の売上は激減する。

んが、またその後に1,024分の1の確率で別の投資家が10億円築く。

それがまた新しい投資スタイルとなり(ネットの無料記事全部これ)、ムーブメントとなり、役に立たない投資本が世に生まれる。

萌芽する。

売れる→廃れる→売れる。

繰り返し。

数学的にアホでしょ。

となる。

人様のお役に立てるから出版オファーが来るんじゃない。

売れるからオファーが来る。

ネットインフルエンサーでこの人10回もFXで的中させてる。

投資で10億円も稼ぐとかすごい!

日経平均を10週連続で言い当ててる!

この人の言説なら信頼できる。

このインフルエンサーの有料記事買わなきゃ。

はすべて損をするということ。

そこに科学がないため。

ただの運ゲー。

マクロ経済学を使ってはいない、ゲーム理論の劣化版ですよ、それ。

日本人は親切で優しいから人を信頼しすぎるきらいがある。

特に、ネットの投資家と市場関係者は基本ガチクズなので、信頼してはいけません。

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一番上だけ有料記事です。

あと、ノーベル経済学賞を受賞したマイケル・スペンスのシグナリング理論で、投資は自己責任で!

推奨はするけど、投資するのは自己判断で!

と言った人は全て素人です。

プロは自分が売った有料記事に責任を持ちます

無料記事でもそこに広告貼ってその広告費で飯食ってるなら自己責任じゃありません。

推奨した私たちの責任です。

(おしまい)


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