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人生のバイブル

何か、壁にぶち当たった時、落ち込んだ時、大切なことを思い出す時、読む本が何冊かある。
そういったいわば「バイブル」なるものは誰にでもあるはずだ。
何度も読み返し、人生を共に歩んできたその本はさまざまなことを教えてくれる。

オレのバイブルの一つに「モリケンのマンガの描き方教室」がある。

森田拳次 著

この本は図書館の処分本コーナーで20円で売られていた本だ。
出版は1995年で、今から30年近く前の本だが、今にも通じる素晴らしいことが書いてある。
漫画の基本はもちろんのことだが、前書きの文章にシビれた。

みなさんはこの本を読み終わったら、なーんだ、マンガってこんなかんたんに書けるのかと思うようになるでしょう。(中略)そのコツは「プロにならないこと」です。プロは大変だけどアマチュアは「楽しんで書く」。これが一番。二番は別にありません。

このプロにならないというのをオレは大事にしている。もちろんプロとしてお金を貰うことを否定するつもりはない。文章でも絵でも、ただただ書くことが楽しかったあの頃の気持ちをいつまでも忘れたくないということだ。

こんな文章もある。

絵が苦手だ マンガなんてとてもと思っているみなさん!幼児だったことがありますか?だったら書けますよ。
幼児だったころのびのびと"落書き"をしたことがあるでしょう。漫画で大切なのは、うまい絵を描くことではありません。
落書きのように自分が楽しんで書くことです。

これは素敵な逆説である。
いい文章や絵を書きたいのなら、いい文章や絵を書こうとするなということである。
ただただ楽しんで書いていれば自然と技術は身につくものだ。楽しいという気持ちを忘れないでいれば無限に上達する。
好きこそ物の上手なれである。

また、ペンがなければ漫画を書けないと思っていませんか?という漫画家が言うか!という、常識を覆すような項目もある。
確かにペンがなくても漫画を書いていた。

その他、コマ割り、目線の移動、ギャグ漫画、少女漫画、スクリーントーンの使い方、吹き出し、アングルの決め方、擬音と書き文字、など項目も充実している。

子供の頃、時間を忘れて夢中で書いたあの気持ちを思い出させてくれる、大切な一冊である。


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