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聖書と古典

西洋からの影響

明治時代以降の日本は、西洋からの強い影響を受け続けて今日に至っています。
西洋からの影響は様々の道を通り、様々な著者と本を通して入ってきたのですが、その源である古典は
、申すまでもなく第一に聖書であり、第二にギリシャ思想を代表するいくつかの本であると言ってもよいでしょう。
なぜならば、西洋の文化が中国やインドの文化と違うのは、第一にそれがキリスト教文化であるということ。第二にキリスト教文と密接に関係しながら、絶えずヨーロッパ精神の形成に働き続けてきたギリシャの影響ということになるだろうからです。
キリスト教は儒教の場合と同じように一冊の本に発し、その中で全ての思想が、またその一冊の本に帰ってゆくようにでき上っています。
聖アウグスチヌス、聖トマス=アクイナス、またルーテルやカルヴァンにとって、一番大切な書物は、聖書だったに違いありません。
聖書は新約と旧約を合わせると、論語よりもはるかに大きな本です。
しかし旧約はキリスト以前の話で、ユダヤ教の書であっても、直接にキリスト教の本ではありません。
キリスト教の中心は、言うまでもなくキリスト自身ですから、キリストの言行を伝えた新約聖書が、いわば儒教の「四書」、ことに論語に相当するということになりましょう。新約はそれほど大きなものではありません。
日本人の立場から見ても、西洋との因縁が深い以上、また地球が小さくなり、その地球の大部分の地域に圧倒的な影響を及ぼしているのが西洋思想である以上、新約聖書を繰り返し、出来るだけゆっくり読むことは、おそらく論語の場合と同じように、時間の無駄にはならないでしょう。
そこには西洋思想を支える大きな二本の柱の一本があるのです。
「まさにキリスト教の世界以外のどこでも生まれ得なかっただろう」とも言えるのではないでしょうか。

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