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ダビデ像のモデルであるダビデ

下剋上出世の象徴

美しい少年が立ち上がる

羊飼いの少年だったダビデ。
時は紀元前1000年ごろ。
今から3000年も昔の物語。

イスラエルとペリシテ人が戦争をしていました。
理由は諸説あるものの、ペリシテ人が住んでいた土地、カナンの地にイスラエルが踏み入ったことで争いが起こったとされています。

ペリシテ人の中でも、大男だったゴリアテ。
ゴリアテは三メートル近くも身長があったと言われています。
こんな巨人を相手に、戦っていましたが勝ち目がありません。

イスラエル軍が窮地に立っていた時、立ち上がったのはダビデでした。

ダビデは、サウル王に言います。
「僕がゴリアテを倒すよ」
「いやいや、お前には無理だ」
サウル王は取り合いません。
しかし、ゴリアテを倒さなくてはイスラエルの明日は無いと決心し、ダビデに王の鎧兜を身に付けさせ、ゴリアテの元に向かわせます。

しかし、重いという理由でダビデは鎧兜を途中で脱いでしまうのです。

元々裸同然の格好だったダビデは、ほとんど裸のままゴリアテと対峙します。

「おまえを倒しに来た」
「はっはっはっは!!!小僧、俺を倒せるのか?倒せるものなら倒してみよ!!!」
ゴリアテは自信満々です。

それもそのはず、ダビデは当時19歳。
色も白く、線の細い、見た目も美しい若者です。
かたやゴリアテは3メートル弱の身長を持ち、屈強な体に強靭な肉体の大男です。負けるはずもありません。

ゴリアテに対峙したダビデは、その場にうずくまります。
怖気づいたかと高笑いするゴリアテに向かって、ダビデは小石を詰めた長い布の袋を振り回し、ゴリアテに向かって放り投げます。

小石の入った袋は、ゴリアテの眉間に命中。
額をぱっくりと割られたゴリアテは、額を抑えて悶えています。
其の隙にダビデは剣を抜き、ゴリアテの首を取ってしまうのです。

まさかの出来事に周囲の兵士は何事が起ったのか理解できないほど、あっという間の出来事でした。

しかし、ダビデがゴリアテを倒した噂は見る見る広がり、ダビデは時の人として有名になります。

面白くないサウル王は、嫉妬し、妨害するもダビデは30歳という若さで王に即位します。

ジャイアント・キリング

羊飼いから、王様になったダビデは、日本で言うところの豊臣秀吉張りの出世頭で、下剋上の象徴となりますが、豊臣秀吉が天下統一を果たしたのは53才であり、30歳で王になったダビデは飛びぬけた大下克上を果たしたことがわかります。

ゴリアテを倒したエピソードは、今でも『ジャイアント・キリング』というスポーツの世界ではアメリカを中心に使われる言葉として残っています。

また、イタリア、フィレンツェ・アカデミア美術館にあるミケランジェロが造った『ダビデ像』は、ふろ上がりのようなポーズで有名ですが、あれはゴリアテに向かって小石の入った袋を肩にかけているポーズなのです。
「ゴリアテ、行くぞ!!」
という、今、正に投げるぞ!というポーズなのです。

ダビデは、「神は弱い者、身分の低い者にも光を当ててくれる」という象徴であり、クリスチャンからも人気が高いそうです。




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