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共感と同感の違い

言葉の種類を知ることは意味を知ることとは違う

「なんでTwitterなんてやっているの?」
そんな質問が来ると、決まって答えていたことがある。
「多くの人に共感してほしいから」
そのような目的で、Twitterを使っている人は、比較的多い印象がある。
ここで言うところの、『共感』というものに、私は大きな勘違いをしていた。
皆さんは、『共感』という言葉に、どのような意味を持たれて使われているでしょうか。
私は、「わかるー! 私も同じ〜」のような言葉が、自然と出て来る場面のことを、全て『共感している』という認識だった。
しかし、『共感』という言葉に似た言葉で、『同感』という言葉がある。
『同感』というものは、「自分の意見と同じ意見に対して、同意すること」なのに対して、『共感』というものは、「相手の気持ちを理解しようとする態度のこと」なのだそう。今まで完全に、『同感』の意味で『共感』を使っていた。

ここが恐ろしい所で、言葉を知らないというのは、多くの弊害を生むのだということを再認識した出来事でもあった。
共感と同感。
言われてみれば思い出すものの、言われるまで気づかずにその言葉を使い続けていることに、自分の浅はかさを改めて知る。
「言われるまで気が付かなかった」
という点が問題で、誰でも「言われてみればそうだ」という場面は幾多もある。
ところが、そう言った言葉を知らないと、こうした文章を書いていても、普段の会話でも当然出てこない。間違った使い方をしてしまう。
こうした事象が重なって、言葉というものは変化していくのだろう。

つまり、『共感』のように、最近になってよく見かける言葉というものがある。
書店でも、ネットの中でも、「共感する〇〇」「〇〇に共感する人」のように使われていることが多い。それも、最近である。
おそらく、SNSが普及したことによって、広まった言葉であるように感じている。それは、私のように「共感してほしい」という動機によって、SNSを使用している人が多く見受けられるためだ。私の周りにもたくさんいる。
『共感』という言葉とセット販売されているのが、『価値観』という言葉だろう。
『価値観』や『価値基準』のような言葉は、『鬼滅の刃』のようなアニメにも登場するほどメジャーな言葉となったが、これほどまで普及したのはここ数年である。
記憶にも新しいが、私が読書会を開いた当時、約5年前には、「価値観ってなんですか?」という人が少なからずいたことを覚えている。
この『価値観』という言葉も、意味を履き違えて捉えている人が多い言葉である。多くの人は、「価値観が同じ」という意味を、「同じものが好きな人」という捉え方をしているが、本来の意味としてはまったく違っている。

『価値観』というのは、読んで字の如く、『価値』を感じる点が同じ人という意味であり、『好きなもの』が同じ人にことを指すのではない。
例えば、「スノーボードが好き」な私が居たとする。そこに現れた「スノーボードが好き」な男性と『価値観が合う』という解釈は間違いである。
「スノーボードが好き」な私は、スノーボードのどういう点が好きなのか? という部分を考えなくてはいけない。
「スノーボードで滑ることが好き」な人と、「スノーボードのデザインやフォルムが好き」な人では、価値観は全く違ってくる。
逆に言ってしまえば、「スノーボードのデザインやフォルムが好き」な人と「複雑でもデザイン性に優れたアニメが好き」な人の価値観が同じ可能性も多分にあるわけである。

こうした言葉の意味は、ただその言葉を使っていても、知ることはできない。
本などを読み、言葉の種類を知り、その使い方や用いられている例題を知ることによって、本来の意味を知っていく必要がある。
言葉というものは、先述してように、言葉だけを知っていても、その『類義語』や『対義語』というものを知ることができていないと、本来の意味に辿り着くことはできないことが多い。学校の国語の授業でやっていたことは、『これから多くの知らない言葉に触れていく中で、知っていた方が役に立つこと』を習っていたのである。

だからこそ、読書というものが必要なのだ。
読書をすることによって、知らない言葉に触れていくことが重要なのである。
『共感する〇〇』のような本を読んでいても、ただ読んでいては本来の意味に辿りつかないこともある。
本を読んだことを、「この本読んだ」というだけで終わらせず、「では改めて『共感』というのはどういう意味だろうか」と考えることが重要なのだ。
こうして『自分の言葉』としてまとめることによって、自分の中で消化した言葉となる。そこまで考えることで、初めて自分の言葉として使うことができるのだ。
ただ「知っている」だけでは、普段の会話では出てこないのである。

大切なことは、『本を読んだら、その本について自分の言葉でまとめる』ことなのである。
読書をするだけで終わっていた人は、試していただきたい。
きっと私の意見であるこの記事にも『共感する』ことだろう。

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