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元メーカー勤務アラフィフ海外営業マンが大型トラックドライバーに転身しました⑥(#とある日の仕事っぷり)

2023年4月、年収1000万円の海外営業マンというポジションを捨て、大型トラックのドライバー職へと転身した筆者。

先ずはともあれ・・・
なんだかんだ辞めずに無事年末まで働き続けることが出来た(笑)

肉体的、生活ルーチン的にキツイ部分はあるけれど、それ以上に嫌な人間関係に悩むことが(ほとんど)無いのが実に気楽。給料は安いけど、衣食住に足る分さえ頂ければそれで十分だしな。

9ヶ月が経ち、ようやく慣れてみた配送の仕事。今回のnoteではその「1日の仕事っぷり」について、身バレしない程度に紹介しようと思う。
トラックドライバーの仕事に興味ある方の参考になれば幸いだ。

前置き

先ず、筆者が就いている仕事の基本条件について簡単に記しておこう。

担当するルートは主に顧客の物流センターから各店舗への配送。皆さんがお世話になっている個人への宅配便、ではないので念のため。そして配送範囲は車で1~2時間圏内の近距離エリア、いわゆる「地場」というヤツだ。月に数回、3時間前後かかる中距離店舗まで走ることもある。ただいずれにしても日帰り対応。

荷物の取り扱いは基本手積み手降ろし。パレットに載っている荷物をトラックの荷台へ、自分の手で積み込む、この職で最も過酷(?)な部類に入る仕事だ。カゴ台車を使って納品する店舗もあるものの体感頻度としては全体の1/3くらい。

配送前日

早速12月の、とある1日の様子をご覧頂きたい。
段取りは、前日の午後から始まる・・・

14:00 配送予定受領

翌日の簡単な配送スケジュールが配車担当からメールで送られてくる。
内容は、
「何時にどこの物流センターで、トラックに積むか」
「何時にどの店に、納品するか」
ルート間の距離が長かったり納品先の数が多いと、ちょっと萎える。

肝心の荷量はこの時点では不明、当日朝の点呼時に受け取る指示書で知ることが多い。とはいえそんなの絵に描いた餅。現場に着くと指示書に書かれた量とは明らかに違う膨大な荷物が用意されていて「おいおい、これ全部トラックに載るの?」なんて愕然とすることもままある。

21:00 就寝

上記の積み込み時間から逆算して布団に入る。

最低6時間の睡眠時間は確保するようにしているのだけれど、帰宅が遅く翌朝が早い日は5時間にせざるを得ない。8時間睡眠なんてとんでもない。この日は翌朝3時起きだったので21時に就寝した。

個人的なことで恐縮だが、筆者は寝つきが良い。サザエさんが流れている18時台でも即落ちできる体質で本当に幸い。眠れないと肉体労働は辛い。

配送当日

03:00 起床

セットした携帯のアラームが鳴り響く。
目覚めも寝つき同様、問題無し。

シャワーを浴びた後、お茶と弁当を用意。弁当といっても、ご飯をタッパー(大)に、前日の残り物や冷凍食品をタッパー(小)に詰めるだけ。30分もかからない。

家を出る時、外は真っ暗。しかもこの時期はめちゃくちゃ冷える。いざマイカーで出発。いつもは混みあう国道もこの時間帯はガラガラ。

04:50 出社

出社して最初にやることは点呼(呼気検査)および血圧測定。その後、走行前の車両チェックを行う。主にタイヤ周りとライト関連。

筆者の勤務先ではトラックが1人1台、自分用の車両として割り当てられている。車両の状態管理もドライバーの責任だ。
今日も1日安全に、と願いつつ出庫。

05:30 積み込み(1回目)

顧客の物流センターに到着。

ここは大きなセンターでバースも潤沢にあり、待機時間無く積み込みが出来るのが本当にありがたい。逆に「早い者順」が多い食品卸系はホント最悪。デカいトラックが狭い敷地にひしめき合って場所の取り合いをするのがウザすぎる。さっさと予約制を導入しやがれってんだ。

イラつく余り、つい話が逸れてしまった💦
受付で指示されたバースに着車し、積み込みを開始する。

さて、真冬の作業・・・始めは寒くて震えているが10分もすれば上着が要らなくなるほどに暖まる。積み込みの所要時間は荷量にも拠るが早くて4、50分、量が多くて面倒な品物が多い場合は2時間近く掛かる。
この日の時間は1時間20分。平均的かな・・・

07:00 センター出発

積み込みを終え、早速配送先の店舗を目指す。
この際、よく行くところなら不要だが、初めて行く場合は事前にナビ、そしてGoogle Earthで『搬入口』周りの下調べが必須。なんせ大きな車、現場で迷って立ち往生でもしたら周囲の迷惑になってしまうから。

この日はどれも行ったことのある店舗、且つ搬入口への入り方の難易度も低くて気が楽だ。たまに針の穴のように狭く、しかもご丁寧にバックで入っていかなければならない搬入路に出くわす。なぜこんなところに建てた?

08:30 一店舗目の納品

途中の高速道路で出勤ラッシュに遭うも、ほぼ予定通りに到着。スタッフが出てくる9:00頃まで店舗のバースで待機。

10:20 二店舗目の納品

40分ほど離れた二店舗目まで、ラジオを聞きながら下道で走る。トラックの標準スピーカーはしょぼいので好きな音楽を聴くに堪えない。

納品を済ませた後、荷台が空っぽ(空車)になった状態で、朝とは別の物流センターへ2回目の積み込みに向かう。

11:40 積み込み(2回目)

2回目の積み込みは一店舗分だけど、量が多い。
腹が減った・・・
食べる前に肉体労働だけは終わらそう・・・

13:20 昼食

積み込みを終えた後、物流センターの駐車場にトラックを停めて車内で弁当をかきこむ。車が大きいと停める場所が限られる=外食し辛いのが難点。その点弁当は好きな時にサッと摂れるし、何より節約できるのが良き。

休憩時間は一応60分だけど、杓子定規に休んでいたら退社が遅くなるだけなので一息ついたらシートベルトを締めて出発だ。ま、運転中が休憩みたいなもんだし(笑)

14:30 三店舗目の納品

この時間になると、交通量も落ち着いてくる。
高速道路を乗り継ぎ、指示された1時間前、三店舗目のバースに着車。

こちらの顧客は(物流センターと同様)予定時刻より早く着いても待機時間無しにきちんと荷物を受け取ってくれる。遅れる時も一報すれば問題無し。遅れたら突き返してくるようなふざけた納品先もある中、マジ神。

15:50 帰社

全ての納品を終え、帰社。
再度点呼して簡単な日報を書き、会社を後にする。

17:10 帰宅

帰宅ラッシュに巻き込まれたくないのでこの日の帰路は一部区間だけ高速を使った。時間の余裕あればALL下道、緊急時はALL高速、みたく帰りのルートは3つ用意している。ちなみに会社からの交通費は距離に応じて一定。ほぼガソリン代に消えるので往復の高速料金は自腹。But time is money..

さて、明朝の積み込みは4時か。ちと早いな。
夕食を食べて少しのんびりしたら寝るとしよう。
(※始めに戻る)

補足&最後に

この日は4:50出社の16:00退社、11時間強の勤務だったが労働時間は日によって本当にバラバラ。6時間であがれることもあれば15時間近くになる時も少なくない。配送先、荷量、そして最大の要素である「渋滞状況」次第。平均すると11~12時間くらいかな?

一方、肝心の給料への影響だが、配送ルートや業務内容によって多少手当の部分が変われど大差は無いみたい。従って同じ顧客を担当する同僚達は皆、できるだけ早くあがるべく休憩もそこそこに走り回っているようだ(筆者はまだ要領が悪く、帰社時間は大抵ビリっケツである)

以上が筆者がこなしている配送業務の1日の流れになる。
ご覧の通り、朝も夜も超早い。日々この繰り返しで1週間があっという間に過ぎていく。平日は殆どお金を使わない。

こんな過酷な労働環境を手取り20数万円の給料で耐えられる車好きの貴方、是非トラックドライバー職にご応募下さい。2024年問題を控えた今ならまさに「引く手数多」ですよ!

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