【月命日・番外編】ミイというねこ。
こんにちは。本日はミイの月命日です。タイトルのとおりですね。(と下書きしてたのに、24日内に更新できず、1日遅れになっちゃいました…)
ミイが旅立ってからの1ヶ月、なんだかとても長く感じました。ミイとの日々は昨日のことのように思い出せるのに、もうずっとずっとミイに会えていない。あのふわふわでつやつやの毛も、痩せてなでるとごつごつするからだも、顔を埋めるとかおる独特の加齢臭も、どんどん感覚が遠のいていく。一ミリも忘れたくないのに、どんどん遠い昔の過去になっていってしまう、それがほんとうに悲しくて、悔しくて、寂しくて。
ふとした時に、家の中でミイの影を追ってしまいます。
月命日のミイのお供え物は大好きだったチュールにしました。たまにしかあげなかったけど、体調が本格的に悪くなる前までは、とっても大好きだったチュール。もう体が苦しくないはずだから、おいしい、おいしいって食べられているかな。
今日は前回予告していたとおり、番外編としてミイのかわいいところをお届けしたいと思います。更新があいていましたが、さぼっていたわけではありません。ミイのかわいいところを振り返るなら月命日がベストだろうとあたためていたのです。(ということにしてください。)かわいいところ、いっぱいあるのだけど、何から書こうかな。「見た目」「しぐさ」「性格」の視点から、ミイというねこのことをご紹介したいと思います。
うわっ。かわいいところだらけすぎて、どこから紹介すべきかわからないし、しぼれない…。
もふもふの鳩胸と、しわしわの肉球と、ゆるゆるの口元と…。
ミイは、見た目はもしかすると、多くの人からするとすごくふつうで、よくいる三毛猫だったのかもしれません。そして、もしかすると、片目にハンディがあったことでむしろ「かわいそう」な見た目だったのかもしれません。
いつも鼻水や目やにで顔まわりは潤っていて(笑)、確かに、譲渡会で見た目で一目惚れされることはなかったように思います。でも、そんなハンディもなんのその。ミイ自身はそんなこと全く気にせず、とても愛嬌たっぷりな特別な子でした。苦境の中で生活してきたことは間違いないのに、そんなことは一ミリも感じさせないくらい、愛情にあふれた心の豊かな子でした。
ミイのそんな愛らしい性格のことは後でお話するとして、まずは私が大好きだったミイのパーツ(変態みたいですね…)ベスト5!についてお話します。ほんとはもっともっとたくさんあるのだけれど、語り出すときりがないので、ベスト5で。
第5位:感情豊かなほたるしっぽ
ねこの感情は、ひげとしっぽにあらわれます。ミイはとくにしっぽにあらわれる子でした。ミイのしっぽはすらっと細長いきれいなしっぽ。根本は茶色っぽくて、中盤からしましま模様になって。そして先っぽの毛だけ真っ白なほたるしっぽ。
一緒に暮らした後半は、寝てる時間のとても多かったミイ。そんなミイに話しかけたり、なでたりすると、このしっぽの先っぽがゆらっ、ゆらっと動いて、少し面倒くさそうに(笑)返事をしてくれました。めんどくさいのにちゃんと返事をしてくれる。私が仕事から帰宅すると、しっぽピンっとたてて、リビングの扉の前で待っててくれたミイ。
しっぽの動きに合わせて、あっちへこっちへ動きまわる先っぽの真っ白な毛が、何だかミイの心のやさしさと明るい性格をあらわしているようで、すごく愛おしいのです。
第4位:もふもふでふわふわなはと胸
ミイの毛はとてもやわらかく、短いのにふわふわな触り心地の毛でした。前のお家でつけられていた、こどもの髪飾りのような首輪のようなものの影響で(たぶんとってもきつかったのだと思います)首周りの毛はぐるっと薄毛だったけど、そのしたの胸の毛はとってももふもふでした。(お腹の毛は少しくりくりとくせ毛で、それもまたかわいかったです。)
ちょっとはと胸っぽく胸がまるっとはってて、そこをもふもふと触っていると、とても穏やかな顔で気持ちよさそうにゴロゴロと喉をならしてくれたミイ。いったい何度そのようすに癒されたか…。
あまりに気持ちよくて、ついつい無意識にもふもふしてしまうのが癖になりました。
第3位:しわしわでしみのある肉球
ミイの肉球は決してすごく柔らかいというわけではありませんでした。むしろいろいろと場数を踏んできた(笑)しっかりとした弾力のある肉球です。年とともに乾燥してきて、ちょっとしわしわして、しみが濃くなって。なんだかそんな老猫どくとくの風合いを醸し出す肉球だったのです。
そんな肉球で、かまってほしいときに、私の腕や、肩、ほほをぺしぺし、ちょいちょいするミイ。その感触が何とも優しくて控え目で、つい、ちょいちょいしてくるミイにすぐには反応せず、しばらくそのままにしておくなんてことをしていました。
このちっちゃなおててで、どんな場所を歩んできたのだろう。そう考えながら、乾燥した肉球にねこ用クリームを塗りこんでいた日々が恋しいです。
第2位:ゆるゆるできばののぞく口元
ミイのお口は、過酷な環境にいた影響で、歯が5本しか残っていませんでした。そのせいか、人間のおばあちゃんみたいにちょっとおちょぼ口で口の筋肉もゆるめ(笑)。そのお口からは2本のきばがいつものぞいていました。
このなんとも言えないかたちとゆるさが、ちょっとまぬけでとにかくかわいいのです。
朝、目覚めたとき、何度このお口がドアップにあったことか(笑)指でつんつんすると、やさしくぺろぺろと舐めてくれるミイ。幾度となく、顔中舐められたことも(笑)。
第1位:心の奥まで見透かされるような澄んだ瞳
でも、やっぱり一番はミイの瞳です。片目にはハンディがあったけれど、見え隠れする瞳は本当に済んだ色をしていました。やさしく、愛情にあふれた、邪念のない瞳。
この目に見つめられると、人間はいつもいちころ。
仕事で嫌なことがあった時、そっと横に寄り添って、じっと見つめて、ゆっくりまばたきして愛情を伝えてくれたミイ。ミイの病状の悪化にどうしようもなく人間が泣き崩れたときも、一番つらいはずのミイがじっと私の顔を見て、頭をすりすりしてくれた、あの時の瞳は一生忘れられません。
番外編:年と経験を重ねたかおりのする体臭
見た目ではないけれど、ミイについて語らずにはいられない要素に"におい"があります。率直に、決してすごくいいかおりではない。でも、ついかぎたくなってしまうのです。
からだや、肉球は、おばあちゃんちのたんすのような、歳を重ねた懐かしい匂い。口元は、歯肉炎の影響もあり、おばあちゃんちの冷蔵庫みたいな、つんとする、でも懐かしい匂い(笑)。(ちなみにわたしの祖母は築地のマグロの仲卸でした。冷蔵庫はお店のあまりがいっぱい。)
仕事から帰るとまず、お腹をふわふわ撫でたあと、抱き上げてお腹の匂いを嗅ぐのが日課でした。夜寝る前にミイと遊ぶ時はお口の匂いを「くしゃーい」って言いながら嗅ぐのが日課でした。(変態だ。)
ミイが旅立ってから、夫とよく話すことの中に「あの匂い、また嗅ぎたいよね」というやりとりがあります。動物と暮らすことをどちらかと言うと、よく思っていなかった夫でさえ、懐かしい、恋しいと思うあのかおり。それだけ、私たち二人にとってミイは大切で愛おしい存在だったんだなと思います。
ごつん、こてん、くるん、ちまっ。
ここまでは「見た目」のお話。次はミイの「しぐさ」についてです。ミイは手足がちょっぴり短くて、動きがなんだかちょこまかしている子でした。ねこじゃらしで遊んでいても、うるはドタバタ、ドタバタ、ドスン、ドスンと動きが大きく激しいのに対し、ミイはトテトテ、パタパタ、となんだかちっちゃく、細かく、せわしなく動く子でした。それがまた、ちょっとどんくささも交じって、とってもかわいらしい動きなのでした。
そんなミイのしぐさや行動でとくにすきだったものがあります。それは、一緒に寝るとき、そのなかでも特に、私の頭の横で寝るときのしぐさです。ミイはいつも一緒にべったりくっついて寝る子でした。それは夏も冬も変わらず。寝るときは太ももの間か、わき、頭の横が定位置。
どのシチュエーションもとんでもなくかわいいのですが、頭の横で寝るときはとくにたまらないのです。寝る準備をして、ミイを呼ぶと、てけてけかけよってきて、私の手や腕にごつん。ごろごろ言いながらわたしの顔や腕をひととおりなめると、次はこてんと転がって、くるんとアンモニャイトの体勢に。そのくるんとまるまったときのちまっと感が本当に愛らしくて愛らしくて。
ミイの大音量のごろごろ音を子守歌に、ミイのにおいをかぎ、ミイのふわふわした毛に顔を埋めて寝る瞬間は、その日にどんなに嫌なことがあっても、すべてが吹っ飛んでしまうくらいに、幸せで、癒しパワーが抜群なのでした。
控え目だけど、押しは強い。
ミイはとにかく、愛情深い、やさしい、愛嬌のある子でした。譲渡会に行くまでの移動は嫌いだけど、行ってしまえば、いつも入口の一番そばのケージで、来てくれた来場者のみなさんみんなに声をかけ、ケージにすりすりして、ごろごろと喉をならして、「保護猫」という概念をいい意味でくつがえしてくれるような、そんな子でした。
そして、すっごく空気を読む子でした。私が仕事で切羽詰まっていると、背後でそっと仕事が落ち着くまで待って、そろそろ終わるかな、かまってもらえそうかなというときになると、そっと腕にごつんと頭をすりよせる。それに私が反応をして応える素振りをみせると、そこからはなでて、なでて、と私に向かって手を伸ばす。なでるとうれしそうにごろごろと喉をならして、目を細めて私の手を舐める。なでるのをやめると、もっとなでてとぐいぐい頭をすりよせ、手でちょいちょいと私のほほをさわる。空気を読むがゆえに、どこか控えめなのに、ここぞというときには、これでもかというくらい押しが強く甘えてくる。
ミイと暮らすまで、ねこがこんなにも空気をよみ、愛情あふれる生き物であることは知りませんでした。どちらかというと、マイペースで自由気まま、そんなイメージだったのです。
遊んで遊んでと騒ぐわけではない。おばあちゃんだから寝ている時間のほうがよっぽど多い。でも、寝るときは必ず体をどこかそっと、人間にくっつける。ミイはそんな子でした。
ねこって、あんまり人にべったりじゃないから、犬のほうがいいな。ねこって、自由気ままだから、留守番も問題ないだろうし、手がかからないよね。そんなことを言われることがあります。
でも、私がミイと接し、暮らすことで知ったのは、ねこもとても愛情にあふれ、人間を好いてくれて、甘えん坊な子もいること。わがまま言わず、じっと我慢してお留守番もしてくれるけど、本当はとても寂しくて、早く帰ってきてなでてほしいと思っている子もいること。人間が向きあい、愛情をそそぐと、その何倍もの愛を向けてくれる子がいること。そんな子もいるんだ、ということでした。
うるとミイではほんとうに性格が違います。うるも甘えん坊で、寂しがりだけれど、うるの愛情はちょっと気まぐれな、強めなドストレートの愛情。ミイはどちらかというと、ふんわり包み込むような、つねにあたたかい、そんな愛情を持った子でした。人間がひとりひとり違うように、ねこだってひとりひとり全然違う。そんな当たり前のことに、あらためて気づかせてくれました。そして、わたしのほうがとてもミイに愛情を注いでいたつもりだったけど、それ以上にミイが返してくれていたのだなと、ミイがいなくなりその存在の大きさに気づき、強く思いました。
初めて一緒に暮らしたねこ、保護猫がミイで本当によかった。離乳した子猫を預かって、と言われたあの日、我が家に連れて帰ったのがミイで本当によかった。まだまだ寂しい思いが勝ってしまうけれど、ミイとの日々を思い出すととてもあたたかい気持ちになります。
まだまだ、ミイの愛しいところはたくさんあります。帰宅するとかならず、リビングのドアの前で待っていてくれたこと。ソファでごろごろテレビをみていると、顔の横まで来て、テレビじゃなくてなでて、と言わんばかりに視界いっぱいに顔を寄せてくるところ。ちょっと短足でぽってりとしたふわふわボディ。とってもきれい好きで、毛づくろいは入念に行うから、毛づくろい後はほんのりお口のにおいが体中からするところ(笑)。あげだすときりがありません。でも、今日はこのくらいでおしまいにしようと思います。
次回はまた、ミイの闘病のお話。一緒に暮らした5年間の中でも、特に密度の濃い、でも、すこし苦しい日々のお話です。
月命日にミイのことをたっぷり思い出し、振り返れてうれしいです。いつもこのまとまりのないnoteをお読みいただきありがとうございます。それでは、また。
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