日記Vol.8 薬の加減について

 さて、では気を新たに書いていきましょう。
お薬の話が有用だって言われたんでしたかね(既に寝惚けている)

 障害の有無に関係なく、皆さんの周りに薬って溢れかえっているかと思います。「処方をよく読んでお使いください」みたいな言葉はよく聞きますよね。勿論守るのは大事です。ではどのくらいが守れているとみなされるのか、聞いたことはあったりしますか?

 筆者は精神障害者でもあるので、薬の飲み過ぎには注意したいと思っていました。飲まないと精神が乱れるわけですが、飲み過ぎると芥川さんみたいになりかねないからですね。
なので、かかりつけ医に「この薬の服用上限はいくつですか?」と必ず聞くようにしています。あと、飲んだ後に「完全に抜けるまでの時間」を経過観察するようにしています。

 強いお薬はあまり好まないため(薬が効きすぎる体質なので)、なるべく弱いものを処方してもらっています。精神薬としてはバルプロ酸ナトリウムとか、クロチアゼパムあたりですね。
バルプロ酸の方は「6~10錠から危険です、透析をすることになると思います」。クロチアゼパムは「20錠から危険です」とか。
眠剤(代理)としてPL剤(※感冒薬)とデエビゴ・ロフラゼプを使っていますが、デエビゴやロフラゼプは効きが早いものの長持ちせず、抜けるのも早い。PLは効きは遅いが持続性があり、抜けるのも遅い。(何時間とかもメモがありますが割愛)
日本医学はもう少しPL剤を眠剤として(あと過呼吸用として)認めて良いと思うんですよ。私が気付いたのは偶然でしたけど(子どもの頃から掛かってる内科医が処方する風邪薬が決まってコレなので)、他の医師と話をしていたら、
私「就眠には興奮状態とリラックス状態を均衡にして、リラックス状態に少しでも傾けるのが必要なので、それを可能にする脳内物質を探してたんですけど」
医「精神科では興奮状態抑制の薬が多いですからね」
私「いや、リラックス状態を底上げする薬も効かないので、根本的に違うなと思って」
医「根本的にというと」
私「独自的に調べたので答え合わせが欲しいのですが、興奮作用物質は生産されてから脳が受け取るまでにラグがありますね」
医「そうですね。受容体が脳内に六つあります」
私「それは知らなかった。なので、その「算出された興奮作用物質が脳に届かなければいい」と思いまして」
医「それで目をつけたのがPL剤ですか。確かにこの薬剤の副作用である眠気は、着床阻害物質ですね」
私「電気が通ってない電球には光が付かないじゃないですか。実際に、過呼吸の時にも効いてるんですよ」
医「そうなんですね。しかし今の薬剤界ではこれは『小児用風邪薬』なんですよね」
私「そうなんですよね」
 などという話をしたことがあります。
過呼吸に効くのは、他の精神障害の友達にも効果があったと確認が取れているので、概ね間違ってはいないのでしょう。

 どのくらいで、効き始めるのか。
どのくらいの時間、効いているのか。
どのくらいで抜けるのか。
どのくらいの量が危険なのか。
どのような効能なのか。
服用する側は、それを理解するのがとても大事です。

 例えば私は胃薬を三種類持っております。
モサプリドクエン酸、ビオスリー、キャベジンです。
どれも処方箋には「胃薬です」くらいの表記しかないので分かりにくいんですね。

 モサプリドは、逆流性食道炎に用いられるような胃薬です。
要は「うえっ」ってなるような胃の苦しさとか、吐き気に作用する胃薬です。
対してピオスリーは、下痢に作用する胃薬です。
辛い物食べてお腹壊したとか、そういう時に使うもの。(個人的所感)
キャベジンは、胃もたれ(ちょっと食べ過ぎたかもしれないなあ……放っておくとモサプリドかビオスリー飲みそうだなあ……)という時に、先に飲んでおきます。野菜でいうなら大根とか、あの辺みたいに消化促進で胃を苦しませないようにすることに特化していると考えています。

 そうやってお薬の効能を把握しているのです。
何故かというと、現代医学において、処方箋で出せるのは十種類が上限だからと定められているからです。しかも、慢性疲労症候群は結構漢方のお世話になる障害なのですが、漢方薬は三種類までとまで定められてます。きつくねえか。

 慢性疲労症候群は、症状は人それぞれなので一概には言えませんが、私に限って言うなら三種類では足りない。しかし、三種類以上出すと医師が困るわけです。監査が入ったりする?とか何とかで。別に困らせたいわけではない。
ただ、私が生きていく上で漢方薬は必要だし、十割負担出来るほどの経済的余裕はありません。あるならご飯食べるよね。
なので、「常服薬」と「頓服」で分けるしかないのです。融通が利かない薬剤界を乗り切るにはこうするしかない。
なるべく同じ効果を持つものは削減できるよう、処方している薬局を選んでますし(漢方医が居るので答えてくれます)、こういう症状があるんだけど西洋薬で代替できるものはありますかとかも聞いたりします。
でもやっぱり西洋薬って「抑え込む」に特化しているので、「地盤を作る」漢方薬には適わないところがあります。慢性疲労症候群的にはですね。
なので、食事療法も大いに取り入れます。

 さっき書きましたが、キャベジンって大根みたいな作用があるわけですから、大根の味噌汁とか作れば同じような作用は期待できるんですよ。
あと、油ものを消化すると胃が疲れるとか、からいものでダメージを受けやすいとか、色々知っていると、硬くなりやすい肉(仮に豚肉としましょう)は火を通すと消化しにくいですよね。では火を通しても柔らかければいいわけです。そんな豆知識もあるわけです。検索したら出てくるですね。
からいものでというのは、甘口のカレーでも同じようで、あれは苦戦しましたが、最終的にバターを入れたのだったかな……?
香辛料の刺激を軽減させて、なおかつ味がカレーのままである、そこに至るまでの苦労が凄かったのでちょっと思い出せないところありますが、多分バターだったと思います。
胃に負担が掛からなければ、胃薬はまず用事がないので、「どうしても必要になったら」という時のための保険として、頓服薬にできます。
食事療法はいいぞ。

 友達が一回、興味本位で「どんなお薬を飲んでるの?」と聞いてきたので、全部出したことがありますが、「????マジ???」と言ってました。うん、マジです。
こっちは血圧が低い時に飲む薬。頓服。
こっちは脈拍が早い時に飲む薬。頓服。
こっちは気象病が出た時に飲む薬。頓服。
こっちは血液を作るために必要な薬で、こっちの薬と合わせて飲む。頓服。
こっちは精神的に不安定になった時に飲む薬。常服薬。
こっちは……、と、まあキリがないのですがたくさんあります。
ひとつひとつの効能を理解し、状況にあったものを服用する。
血圧計も要るし体温計もいるし、自分の体調を管理するのが殆ど手動。

 慢性疲労症候群とは、そういうものです。
自動的に体調を整える機能というものが人間には備わっていますが、それが機能していないので、自分でどうにかする必要があります。
出る症状もそれぞれ違いますが、一時期「コロナの予防接種が怖い」と友達に対策を聞かれた時に、症状自体は似ているので、これを用意する、これはここに置く、これは動けなくても手が届く場所に置いておくと細かく指示をしたら、3日くらいは動けず寝込んだと聞きましたが、難は逃れたといっていました。最初の頃の接種は確かに反動が凄かったですね。
でもあれが私達の普通なのですよね……。
枕元に必ずウィダーインゼリーとチオビタはあるし、手が届く範囲に体温計と血圧計はあるし、起き上がりさえすれば薬一式は全て周りにあるし、非常食も手が届くところにあります。
起きたら動けないというのが当たり前なのですが、これが健康な方には中々理解してもらえない。怠けだとか、管理不足だというのですね。
それを聞く度「じゃあ私の身体と入れ替わって二年生き延びてくれよ。死んだら許さないぞ」って冷めた感情になります。
枕元にある、20種類近い薬が、何に効くか分かるの?
いつ飲むのか、どのくらい飲むのか、分かるの?
どうやったら飲めるかわかるの?38番とか漢方医も認める苦さだけど。
きっと三か月くらいからギブアップって言い始めるんだろうなと思いますが、二年生きてもらいましょうね。慈悲はなくていいよね、私に慈悲をかけてくれないのなら当然できますね。

 医師に迷惑をかけず、かといって生真面目に従っているだけでは生命維持ができない私達は、工夫をしながら生きています。
自分の体調管理に、ここまで気を配っても、私たちの身体は弱っていきます。周りはそれを怠けているといいます。聞き飽きたなあ。
そんな人たちが、少なからず生きている社会に。
私が出来ることなんて、社会福祉の知識を持った人間として何かを生み出す以外、今のところ思い当たりません。

 結局は、そういうちょっとしたことを積み重ねて
少しずつ何かしらのいいものを循環させる
それが私の望みたい未来なのだと思います。

 お薬の発信って言われてた気がするけど、これでよかったかな。

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