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悲惨な想い出

金がないから病院に通えない、当時はそんな子がたくさんいたと思います。
 いつも小さな声で泣いていた妹が、ある日突然泣かなくなりました。
今日は余り泣かないなと思い押し入れを覗くと妹が冷たくなっていました。
息をしていない。
触ると人の皮膚ではなく、石のように硬くなっていました。
俺はぼんやり「あぁ死んじゃたんだなぁ」と 思った。
まるで、拾ってきた子犬が寒い外で凍死してしまったように、 誰にも看とられず妹は生き続けることができませんでした。
 「ごめんね、兄ちゃん何もしてあげられなかったよ」
妹はもうすぐ一歳になるのに、ミイラのように痩せ細り、冷たい抜け殻になっていた。
金がないから病院に通えない、当時はそんな子がたくさんいたと 思う。
 いつも小さな声で泣いていた妹が、泣かなくなった。
今日は余り泣かないなと思い押し入れを覗くと妹が冷たくなっていた、息をしていない。俺はぼんやり「あぁ死んじゃたんだなぁ」と 思った。
まるで、拾ってきた子犬が寒い外で凍死してしまったように、 誰にも看とられず妹は生き続けることができなかった。
 「ごめんね、兄ちゃん何もしてあげられなかったよ」
妹はもうすぐ一歳になるのに、ミイラのように痩せ細り、冷たい 抜け殻になっていました。
その日の夜、土足で入り込んできた背広姿の男達がコソコソ話をしていました「これは酷いな」「何人子供がいるんだ」「他に死んでる子供はいないか」六畳と四畳半の狭い部屋に腕に腕章をした大柄な警察官が五,六人入れば部屋は満員でした。

一人の女性警察官が死んだ妹を毛布に包むと思いっきり嫌な顔をして 運んでいく。
ガックリと頭を垂れている両親に手錠を嵌めるとパトカーに乗せて連れて行かれました。
自分は死んだ妹のことより、明日からどうやってご 飯を食べようかと朝まで眠ることができなかった。

「妹との別れ」

それから二週間、両親は家に帰って来られず小岩警察で取り調べを受けていました。
うちは親族との付き合いもなく、近隣に知り合いもいない、自分たち兄弟は途方に暮れていました。
次の日には新聞に事件の詳細が 社会面を賑わせました。

 「江戸川区、本一色町で一歳の女の子が餓死」
俺たち兄弟は、恥ずかしくて学校にも行けなくなりました。
次の日、婦警さんが訪ねてきてくれて、僅かなお金を置いていってくれた。
今思えば上司からの命令で様子を見に来たのだろうが、余りに不憫に見えて自らのポケットマネーを置いていってくれたのだろうと思います。
婦警さんからもらった千円札を握り絞めて近くの八百屋に野菜を買いに行きました、野菜があれば美味しい水団が作れるからです。
八百屋につき野菜を見ていると店の親父がこちらを睨みつけて、こう言いました。
 「お前ら、子殺しの子供だろう、そんな奴に売る野菜はねぇ」
「気持ち悪いから、二度と来るな、おぃ、塩を撒いておけ」
 八百屋の親父はネギの一本も売ってはくれなかった。

肉屋に行っても、乾物屋に行っても同じようなことを言われてこの町で買い物をすることはできないと知りました。

テレビの報道番組「ウィークエンダー」では事件を匿名でなく 名前を公表して報道されました。

キャスターの泉さんは
「しかし、酷い親がいたもんだねー
死んでいた子供はまるでミイラのように痩せてましたよ」と見てきたような報道をしました、現場にも来ていないのに
そのように事件を面白おかしく報道するのが、テレビの世界なのだと思い、自分はそれ以降、テレビを信用しなくなりました。



こんな、駄文を読んでくださり貴方は仏様ですか?