「終わりの見えない恐怖」を手軽に楽しむ 【アドベントエッセイ(194/365)】
早いものでクリスマスまであと171日を切った。
どこよりも早いアドベント企画、194日目は手軽に悪夢を見る話。
出口が分からないまま、どこまでも続く世界。そんな悪夢を見ることは無いだろうか。
古今東西、「ある特定の場所から抜け出せない」というシチュエーションは、さまざまな創作のネタ(多くは、受け手に恐怖を抱かせるスパイスとして)になってきた。
人間は、”終わりが見えない世界”に潜在的な恐怖を持つ生き物なのかもしれない。
この恐怖を、手軽に楽しむ方法を見つけたのでシェアする。スマホで「Toy Blast」というゲームをダウンロードするのだ。
Toy Blastはブロックを崩すことで進んでいくパズルゲーム。その名の通り、おもちゃの可愛らしい世界観をベースにしたファンシーな作品である。
ブロック崩し系のゲームはシンプルだからこそハマりやすい。定期的にやりたくなる。Toy Blastをダウンロードしたのも「久しぶりにブロック崩しやりたいな」と思ったからで、意気揚々と進めていた。
Toy Blastは、双六形式で、1つゲームをクリアするたびに、おもちゃの世界を1マスずつ進んでいくデザインになっている。
道中は、13ゲームで1パートくらいに分割されていて、雪の国だったり、砂漠だったり、アジア風だったりと、各パートごとにいろんなテーマがある。
スマホをスクロールすると、自分が今いる地点の先を確認することができる。
ゲームを30個くらいクリアしたところで、ふと「一体この先どれくらいゲームが用意されてるんだろう?」と思った。
スマホをスクロールしながら、これからやってくる道のりを眺めてみる。各パートごとに色んなデザインがあって、見ていて飽きない。
最初はふんふんと楽しく眺めていたが、しだいに異変を覚え始めた。
全然終わらないのだ、スクロールが。
1000過ぎても、2000過ぎても終わりが見えない。延々とと可愛らしいおもちゃの世界が続く。楽しかった気持ちが、じわりじわりと恐怖に変わっていく。
3000を過ぎたあたりで、私はアプリを閉じ、そっとアンインストールした。
子供の頃、ディズニーランドの夜が怖かったのを思い出した。
楽しい時間と夢のような世界から、だんだん人が少なくなり、賑やかだったスポットがぼんやり闇に滲んでいくかんじ。
「もしこのまま園内に1人取り残されて、いつまでも家に帰れなかったらどうしよう」
と想像すると怖かったのだ。
ディズニーも、Toy Blastも、扱うモチーフにホラー要素なんて一切無い。なのに、「終わりが見えない」の要素をプラスすると、とたんに怖くなるから不思議。
この感覚、私だけだろうか。誰かとシェアしたい。もしここまで読んでToy Blastをダウンロードしたことがある方がいれば、感想を聞かせて欲しい。
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