「起承転結」と「序破急」の使い分け
物語の脚本の進め方には、みなさんもご存知「起承転結」という考え方があります。また、新劇場版ヱヴァンゲリヲンでおなじみ「序破急」という考え方もあります。
しかし、序破急と起承転結はどう違うのでしょう?違うとしたらどう使い分ければいいんでしょうか?
私的には、「序破急」は起承転結の「転」で止まってしまっているような気がしてなりませんでした。しかし、思い付きではありますが私は序破急と起承転結の明確な使い分けの基準を見出しました。
それはズバリ、「(人による)意味を劇中で与えるか否か」です。
「起承転結」では、「結」の部分で物語が幕を閉じます。幕を閉じるという事は、物語の中ではお話がまだ続いていくであろうし、もしかしたら続編があるかもしれないし、またそれらのイフが読者・視聴者・お客さんそれぞれの中で紡がれるというワケです。
つまり、いったんは話は終わるので、「結」で物語の結論・意味・見出されるモノを精算するワケです。
イソップ童話に例えるとわかりやすいでしょう。すなわち、「結」ではキリギリスが冬に餓死し、正直者に金の斧と銀の斧が与えられ、犬は川に肉片を落とすのです。物語のメッセージが「結」で抽出されるのです。
結で、受け手は物語から何を持ち帰るべきかがわかるわけです。
反面「序破急」では基本的に物語の「意味」は明示されません。
主に、自然や森羅万象をテーマにした作品に多いです。また、これに準じて神や神話をテーマにしたものも多いでしょう。「人の手に負えないもの」というカテゴリで、自然と神は同じ扱いなのです。
「序破急」で上記に該当作品としては、私が思いつくもののなかだけでも以下が挙げられます。
・クトゥルフ神話
・イントゥザストーム(映画)
・(その他災害系映画全般)
・キャビン(映画)
・クローバーフィールド/HAKAISHA(映画)
これらは、序で舞台を作り、破で予兆をみせて、急でそれらが一気に決壊します。で、全てが決壊し呆然としている間に話が終わってしまうわけです。心なしか、やはりヱヴァンゲリヲンのQもこれに従っている気がします。
ただ現象が起こって、そのまま意味を与えずにエンドロールに突入するのが序破急の構成ではないでしょうか。
まとめます。
起承転結
・四部構成
・物語の最後で「意味」が精算される
・メッセージ、お客さんに持ち帰って欲しいものが比較的明確
序破急
・三部構成
・現象をそのまま見せるだけであり、メッセージは明示されない
・自然や神話などと親和性がある
すなわち、あなたが今作っている作品を4部構成にするか3部構成にするか、起承転結形式にするか序破急形式にするか迷っていたら、以上を参考にしてみてください!
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