進む介護業界のM&A
このMBKパートナーズは東アジアに特化した最大規模のファンドです。
同社はこれまでに弥生、ユニバーサルスタジオジャパン、田崎真珠、コメダ珈琲店、ゴディバの日本事業等々への投資、買収実績があるといいます。
今回買収されるHITOWAホールディングスは「イリーゼ」の施設名で全国に有料老人ホームなどを約140カ所展開しており、家事代行サービスや、保育園の運営も手掛けているとのこと。直近の売上高は600億円超となっているらしいです。
(参照:HITOWAホールディングス https://www.irs.jp/ )
MBKは2021年に介護大手のツクイホールディングス(現ツクイ)を買収し、2023年4月にはユニマットグループの介護事業も取得し、今回はHITOWAを追加買収して、出資先との協業を進めて収益性を高めるのだとか。また、デジタル技術の活用も加速するのだといいます。
介護業界ではM&Aが活発化していますね。
損保ジャパンもM&Aで一挙に業界最大手に躍り出ましたし、日本生命保険は11月に介護最大手のニチイ学館を傘下に持つニチイホールディングスを2100億円で買収すると発表しています。
介護は地域の水道事業と同じように地域住民にとってのコモン・共有財産だと思いますが、資本の「囲い込み地」になって行くのかも知れません。
上記の記事のとおり、人材難、物価の高騰、政府の無策により経営難の中小事業者が増えてきており介護業界は淘汰の時代に入ってきているようで、今後もファンド、大企業による中小企業の吸収合併が続いていくのでしょう。
ファンドや大企業は規模拡大による利潤確保を期待しているのでしょう。
また、国が後押しする介護領域における生産性向上政策は、国が企業に対して相対的剰余価値を約束するようなものですから、ファンド等の買収意欲を更に高めることになるのだと思います。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?