辻本 あずさ

大学病院臨床研修医を経て、脳神経内科入局。博士(医学)取得。 大学病院脳神経内科講師と…

辻本 あずさ

大学病院臨床研修医を経て、脳神経内科入局。博士(医学)取得。 大学病院脳神経内科講師として臨床・研究・教育に従事。 脳神経内科専門医/認知症専門医/総合内科専門医

最近の記事

脳神経内科医を20年やって心から伝えたいこと

はじめましてこんにちは。医者として働き始めて、あっという間に20年近くが経ちました。これを読んで下さっている皆さんの勤続に比べたら、まだまだ短いかもしれません。でも、振り返るといろんなことがあったなと思います。  大学病院での外来診療と入院患者担当を主軸に、町中の中規模病院の外来や夜間当直の仕事、小さなクリニックで「かかりつけ内科医」の役割、そして慢性疾患を抱えた患者さんの家を回る往診。長いところでは10年以上勤務し、10年以上のお付き合いができた患者さんご家族もいらっしゃ

    • 良い健康診断と悪い健康診断

       健康診断はぜひしっかりと受けてください、というのが私の持論であり、社会のコンセンサスでもあると思っています。でも、その具体的な内容になると、有料(というか高価)な人間ドッグまで様々です。血液検査だけでも色々な項目の選択肢があり、他にも尿検査や、レントゲンや心電図、胃カメラや大腸カメラの内視鏡検査があります。そしてCTやMRIやPETといった画像検査になると、体のどこを撮るか、どんな写真を撮るかの種類も決めなければいけません。親戚や知人にお勧めを聞かれても、その人の年齢や生活

      • コロナ下の入院生活

         新型コロナウイルスが流行り出してから、病院を受診するのに足が遠のいている方も少なからずいらっしゃると思います。私が外来診療をしていても、困りごとが「しびれ」や「ふるえ」だと、初診であれ再診であれ、受診されることが減っているなと感じます。それらの症状は、多くは慢性的に、月単位あるいは年単位で抱えられているので、少しくらい先延ばしにしても変わらないのでしょう。それにしても、新型コロナウイルスの流行も年単位になってきていますが。  入院診療も、急ぎでないとされる検査や治療に関し

        • 病院に通っていても、健康診断を受けてください

           病院で働いていると、お会いする方がみんな患者さんなので、世の中の人みんなに持病がある気がしてしまいます。たまに、健康診断の仕事をしたり、初めて病院に来た方を担当すると、毎日飲むお薬が無いことにビックリしたりします。  そんな偏った私ですが、それでもある程度のご年齢になると、血圧や脂質のお薬を飲んで、定期的に通院されている方もやはり多いはずです。そして、お薬の処方だけではなく、年に1-2回、たまには血液検査も受けているのではないでしょうか。  今日はそんな方々にも、健康診断

        脳神経内科医を20年やって心から伝えたいこと

          アルツハイマー病の治療薬

           最近、アメリカで承認された新しいアルツハイマー病の薬が話題になっています。これまでにない、アルツハイマー病を「元から治す」薬です。しかし、素晴らしい話ばかりではなく、その有効性や実社会で使っていくにあたっての方法について、議論があるところです。  私には難しい政治的な背景もあるようですが、「そもそも脳が未開の地だから薬の評価がすぐに定まらなくてもしょうがないよね」とも思います。脳科学には「まだ分からない点がある」のではなくて、「根本的に仮説の上に成り立っている」といった方

          アルツハイマー病の治療薬

          はじめまして

           こんにちは。医者として働き始めて、あっという間に15年近くが経ちました。これを読んで下さっている皆さんの勤続に比べたら、まだまだ短いかもしれません。でも、振り返るといろんなことがあったなと思います。  大学病院での外来診療と入院患者担当を主軸に、町中の中規模病院の外来や夜間当直の仕事、小さなクリニックで「かかりつけ内科医」の役割、そして慢性疾患を抱えた患者さんの家を回る往診。長いところでは10年以上勤務し、10年以上のお付き合いができた患者さんご家族もいらっしゃいました。

          はじめまして