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良い節税と悪い節税

はじめに

こんにちは!
SYNCA合同会計事務所 共同代表の吉井です。

経営者の方であれば誰もが税金を抑えたいと思っていますよね。
みなさんは、節税の中でも良い節税と悪い節税を意識したことはありますか?

良い節税とは、ビジネスに悪影響が出ることなく、税金のトータルの額が節税できることをいいます。
逆に悪い節税とは、節税が主な目的となってしまい、無駄な経費を使うことを言います。

利益が出たときに慌てて経費を使いまくる、それは果たして良い節税だろうか、、、。
今回は上手に会社にお金を残すために、どのような節税が効果的か考えてみたいと思います。


◆この記事を読んでほしい人

・節税の仕方を知りたい方
・会社にお金を残したい方
・経費を使うことだけが節税と思っている方

◆この記事を読んでわかること

・良い節税と悪い節税の違い
・税理士が思う節税の考え方
・会社の価値を高める節税

良い節税とは

節税には税金を永久的に減らす節税(永久型節税)と、税金を将来に先延ばしにする節税(繰延型節税)の2つがあります。

永久型節税

真っ先に検討するのが、この永久型節税になります。
永久的な節税は効果が高い反面、あまり多くありません。
永久的な節税策は次のものがあります。
・賃上げ促進税制
・設備投資等による特別控除
・役員社宅
・旅費日当規定

これらは要件を満たしていれば必ず適用するようにします。
ただし、手続きが漏れしまうと適用できなくなりますので注意が必要です。

繰延型節税

ほとんどが繰延型の節税となりますが、
繰延型の節税でお勧めなのは倒産防止共済小規模企業共済です。
本来事業をする上で、もしもの資金を確保することは重要ですが、
預金などで積み立てる場合には、税金が掛かってしまいます。
それが、倒産防止共済や小規模企業共済を活用すると、外部に積み立てをした分が丸々経費として計上することができます
デメリットとしては、解約をする場合に一定期間を超えないと元本割れをするリスクがありますが、一時貸付制度などがあるのでもしもの資金繰りに活用することが可能です。
その他に人材投資や広告宣伝など、事業価値を高めて将来のキャッシュを生み出す投資であれば、広い意味での繰延型節税ということもできますね。

繰延型節税って効果あるの?

「繰延型節税ってただ単に税金を先送りしているだけだから意味ないでしょ?」
そんな声も聞こえてきそうですが、繰延型節税は節税額分を再投資することによりその分の複利効果を得ることができます
仮に、資産1億円で資産利益率(ROA)が20%で10年間利益の繰延型節税をした場合、次のようになります。

結果として繰延型節税をした方が9000万円近く資産が増加しています。
もちろんこれには、計算を簡略化するために所得の多寡による中小企業の減税率は加味されていませんし、投資した分にも20%の利益が出ている前提ではありますが、理論的には繰延型節税で複利効果を得ることができます。
また、課税を繰り延べることにより退職金とぶつけるなど出口戦略を立てやすくなるメリットもありますね

悪い節税とは

次によくしてしまいがちな悪い節税をご紹介します。

高級車の購入

利益が出て、真っ先に思いつくのが高級車の購入ではないでしょうか?
車の購入は維持費がかかるため、トータルのキャッシュアウトが増えてしまいます。
また、4年落ちの車は1年で償却できると言われますが、決算直前で購入すると
月割り計算をしなくてはいけないため、500万円の車を買ったとしても40万円程しか経費入れることしかできません。
車購入による満足感は得られますが、節税効果とは分けて考えましょう。

事業と関係ない投資

予想外の大きな利益が出ると、投資型の節税商品のお誘いを受けるかもしれません。
太陽光投資、コインランドリー投資、最近ではマイニング投資など、、、。
これらはつい最近まで即時償却することができ、かなり節税効果が高いものがありましたが、
肝心の投資に失敗して、結局損をしてしまったという話はよく聞きます。
投資の失敗ならまだいいですが、そもそも詐欺やぼったくりに合う確率も高まります。
だって、本当に投資で儲かるのであれば販売業者が自分でやれば良いことですし、わざわざ「節税商品」として打ち出す必要はありませんからね。

真の節税は自分の事業を大きくする投資をすること

いろいろ書きましたが、結局は自分の事業に投資をすることが究極の節税かと思います。
スタートアップの企業は毎年赤字でも事業が成長していれば、うん百億円の価値が付いたりします。仮にその会社を他の企業にバイアウトすれば、税率20%で済むことができますね。
これは極端かもしれませんが、利益が出ている時に節税目的で散在するよりは、新商品開発や人材・設備に投資をして、事業価値を高めつつ節税する方が断然良い結果になると思います。中小企業であれば、事業投資には何らかの税制優遇や補助金・助成金が受けられる可能性が高いですからね。

そして、しっかりと利益がでるようになったらその恩返しとして社会へ税金という形で還元しましょう!
今回もお読みいただきありがとうございました!

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