[本] 三流シェフ(三國清三)

シェフの三國さんの自伝。

幼少期のエピソードもすごいし、そこからシェフとして進んでいく道程も激しい。
まごうことのない叩き上げなんだけど、要所要所、地道な努力と積極的なアプローチの組み合わせによって起こす奇跡的なショートカットもありながら上り詰めて行くところがすごいですね。ショートカットって言ったら語弊があるかもだけど、でもただ真面目に黙々とやっているだけでは絶対実現し得ないルートを辿っているのかなぁって。

真面目に一生懸命ハードワークすることだけなら割とやっている人はいるのかもですが、常にジャンプするタイミングを見計らいながら、いざという時に迷わず大胆にジャンプするってところがなかなか出来ないことだなと思います。
出来ないってか、やれば出来るのかもしれないけど、大概の人はやらずじまいなんだろうと。読んだら分かると思うのですが、ジャンプの仕方がめちゃめちゃエキセントリックですし。
でも、人から見たらエキセントリックかもしれないけど、きっとご本人としては最短ルートを行こうとしているというか、理想に向かってまっすぐ向かってるだけなんだろうと思います。

私のような凡人はどこかへ行きたい時に「道ある道」を前提に最短ルートを考えるけど、きっと三國さんはそういう発想じゃないんだと。道がなくても真っ直ぐ行ってみれば実は人知れず道があるかも・作れるかもと思いながら進んでいくところが、すごいなと。
でも何でも・いつでもそうってわけじゃなくて、お父さんが漁師でご自身も漁に出られてた経験からどうにも無理な時はスパッと諦めるってバランスも持っていて。

率直に言えば「自分にゃ無理だなぁ」って思っちゃう1冊でした。
でもきっと自分もどこかでジャンプした方が良いんだろうし、しようと。
面白い一冊ですので是非。

新しいお店が出来たら是非行ってみたい!

(了)

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