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濱松哲朗
2018年12月7日 17:36
口笛に木犀の香のしたがへばわれに渋皮色の讃美歌企みをもつ悦びに沈みつつ渦のつめたく身に兆せるやあたたかい地図を拡げて包まつて、たぶん海岸線が変はつた目を閉ぢよ ふかき鼓動のうらがはにこんなに海が囚はれてゐるまどろみは僅かに致死を匂はして夜ごと逞しくなる幹たちやめてしまふことの容易き生活の、ごらん青海苔まみれの箸を読みさしの詩集のやうに街があり橋をわたると改行される回想に