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複数の視線

国内にいても、スマホやパソコンを通じての会議や仲間内の会に参加することが多くなり、普段直接顔を会わせていた人とも画面上で会うようになった。初めは良かったけれど、複数回重ねると思っていたよりストレスだ。

最近は、会議に『参加する』をクリックする前に、ため息が出てしまう始末だ。会議後は言わずもがな。深いふかいため息と共に『もう参加したくない…』と思ってしまう。

何がストレスなのか考えてみた。

ひとつは自宅というごくプライベートな空間が犯される感じがするからだ。背景も設定できるし、何なら設定なんかしなくても、ただ単色な壁の前にデスクを構えて行っているので問題ないのだ。そのはずなのに、そこはかとなく不愉快。言うなれば、許しているわけでもないのに、自分の部屋に複数の人が入って来ている気分。仕事だから仕方ない、会えないから仕方ない、と思いつつもすごく気分が良くない。いや、ちゃんと言おう。気分が悪い。

もうひとつ、たぶん複数の目が誰ともなく自分に向いている気がするのも嫌なんだ。自意識過剰かと言われるかもしれない。でも、実際ぼく自身、会議の時も仲間との会話との時も、画面に映る複数の顔や視線を見てしまっている。そして、相手の表情の変化が直接会っている時より速いスピードでキャッチできてしまい、居心地の悪そうな人の顔色を見ては『もう…、早く終わればいい。』と思ってしまうのだ。

普通の会議と何が違うのかと思う人もいるかもしれないが、おおいに違う。普通の会議だったら、こんなに多くの人と同時に目は合わないのだ。隣り合わせの人とは合わないし、そもそも1人ひとりに距離があるから、一度に合わせられる視線はひとりなのだ。それが一度に複数となると、とてつもないストレスになる。

プレゼンなど、前に立って話をする立場の時とも違うのだ。むしろ話をしていない間に、話していない人とも同時に目が合う、何なら画面に映っている自分とも目が合う、それがかなりのストレスを生んでいる。

会えないときに会うのは、せめて1対1がいいな。ほんとうに疲れてしまって、会いたくなくなってしまう。そんな可能性すら、今ぼくは感じている。


疲れすぎて久しぶりに机に頭をもたげた

机と壁がつくる地平線が

こんなに心地いいなんて知らなかったな


※どんな感じかお伝えしたくて、当初、複数の目が映った画面や、リモート会議の様子をボカした写真を載せようかと思いましたが、気持ち悪くなって止めました。相当悪いストレスを感じるみたい。講演やプレゼン前の緊張感みたいな良いストレスとは違う。しんどいな。













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