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勝手な秋

つくづく勝手なものだと思う

あれだけ首を長くして待った秋なのに

ぼくは楽しむのもそこそこに沈みこんでいる

無表情でしゃがみこんで

枯れ枝をポキポキ折っては捨て

折っては捨てを繰り返しているみたいな

そんな気持ちだ


秋になったらぼくは

秋という秋を深呼吸して

吸い込んでやろうと思っていたのに

なぜかいまは

そんな事も忘れて

枯れていく葉を すぐ落ちていく陽を

事も無げに

ただ瞳に写している


枯れる前に 染まった秋を拾おう

淡い色ばかりでなく 原色の情熱に染まろう

決意を込めて

いつもは撮らないような

強く燃え盛る生命を感じるような

そんな秋を収めた

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これも

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それも

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あれも

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それからこんなのも


もったいない

ああ、もったいない

こんなにも溢れんばかりの 秋

勝手だったのは

秋じゃなくて ぼくだ





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