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本屋が急に閉店するということ

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2002年2月から2023年まで上野の本屋で働いてきた書店員が閉店してからの心境や環境の変化を綴った日記のようなエッセイです。
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2022年8月の記事一覧

本屋が急に閉店するということ(4)

本屋が急に閉店するということ(4)

何度確認してもダメでした…

4月6日…そうこの日は本屋のお祭りの日…

2022年本屋大賞受賞は『同志少女よ、敵を撃て』
逢坂冬馬さんでした(おめでとうございます)

閉店するなんて夢にも思っていない文芸スタッフが
「…〇〇〇冊注文したんだけど…」と愕然としていた。

仕方ない…仕方ないよ…こうなれば売るしかないじゃない?
誰もこんな状況読めないよ…重版からの出荷だもんね。

そういえばこの時に

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本屋が急に閉店するということ(5)

本屋が急に閉店するということ(5)

とうとうお知らせをする日になった

4月上旬JRの耐震工事の調査が入る…。天井の水漏れ対応は遅いのにこういう時は早いんだな…とぼんやり考えていた。コロナも勢いが凄くスタッフも自宅療養者がいたり心配することが多かった。

4月18日月曜日はお休みだったがTLがざわついてる。私のSNSのDMも荒れ狂っていた…。

atre 公式から閉店が発表されたからだ。

しかし明正堂からのアナウンスは19日と決ま

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本屋が急に閉店するということ(6)

本屋が急に閉店するということ(6)

5月7日ファイナル座談会

5月7日(土曜日)明正堂ファイナル座談会
この店での最後のトークイベントを閉店後に開催することにした。
メンバーは大変お世話になっている中村航先生、椹野道流先生、中村先生の担当編集さんとS企画だ。

この時期、なかなか参加してくださいとは言えないのが苦しい所でしかも直前のお知らせ。私は20人か30人くらいかと考えていたが、S企画は沢山押し寄せてきたらどうするのかと心配し

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