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上京時に両親から伝えられたこと。

2022年2月28日(月)
緊張の卒業発表

そんな緊張するような単位の取り方をするなよ、ということではあるのですが、お恥ずかしながら...KAT-TUN並にギリギリで生きていました。何はともあれ、124単位、獲得。無事に大学を卒業することができました。この大学4年間、私を支えてくださったすべての皆さま、本当にありがとうございました。

友達も少なく、変わったことばかりに手を出して、てんやわんやの学生生活も終わりです。振り返れば、総じて「楽しかった」という感想に尽きます。幸せ者です。

さて、そんな学生生活を送る上で、私がずっと指針のような、モットーのような、ある価値基準を持っていました。それはタイトルにもある通り、両親から上京時に伝えられたことです。

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私は大学入学を機に、地方から出てきた、いわゆる"上京組"です。実家は畑と田んぼに囲まれ、コンビニは疎か、街頭すらままならない田舎です。産まれてから地元の高校を卒業するまで、ずっと外の世界に出たことがなかった私にとって、上京は一大イベントであり、憧れは強いものでした。その一方、実家から子供が一人もいなくなるという事実を前に、両親は寂しくて仕方がなかったのだと思います。そんな感情の裏返しとして、大切なあれこれを伝えてくれたような気がするわけです、今となってはね。笑

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法に触れるな
子供を作るな
空腹になるな 

父母より


まずは、大学4年間を過ごす上での最低限の忠告です。
基本的には過保護な両親なのですが、家訓は"自主自律"。
「学校かよ」と、姉とはよく笑ったものですが、家庭内で役割や分担を決めず、"できる人がやればいい"という方針は、家族全員が共通に持っている価値観のような気もします。

そんな"自主自律"のため、大学4年間で最低限守ることが上記の3つ、なのでしょう。当たり前といえば当たり前ですが、人様に迷惑をかけるなという、根本的な話です。「んなこと分かってるよ笑」と、当時は軽く受け流した気がしますが、ふとした時に、この最低限の忠告を守れるか否かで、生活が一変するんだなと、何度かハッとさせられたことがありました。善し悪しではなく、単純に人生の大きな分岐が生まれるきっかけになりやすいということです。大学の4年間くらいは"学び"を追求して欲しいと願う両親にとって、この約束を守ることは私にとっても大切なことでした。まぁ、「空腹になるな」という忠告は幾度となく無視しましたけどね。ごはんを食べることより大切なことがあったんだ、多分。

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「知らないことすら知らない」を意識して

父より


私は高校在学中、「無知の知」という言葉が好きでした。言わずもがな、ソクラテスが示した物事を考える上で最も大切なことです。しかし、そんな私を見かねて父が伝えたことは「知らないことすら知らない」ということです。世の中には物事を自覚するに至らないことで溢れています。真理探究も良いけれど、その前に、それにすら辿り着けない事柄があるということです。謙虚ですね。笑
しかし、これを意識していないと、自分が全く想定していなかったことや、理解できないものに直面したとき、それを否定することしかできなくなる「頭の固い人間」になってしまうということです。「知らないことを知っている」や「知っていることを知っている」より大切なこと、4年間の学びを終えようとしている今、これは本当に役立つ教えだったと思い、今でも指針としています。

好きだけど好きじゃないってなんだろう・・
寒いと言いつつアイスを要求するのはなぜだろう・・
君がコスメショップで迷うベビーピンクとローズピンクの違いはどこだろう・・
「知らないことすら知らない」、そういうことですね(違う)

冗談はさておき、今後定年を迎える父こそ、頭が固いおじさんにならないよう、今度は私からも見張っておかなくてはと思ったり思わなかったりする今日この頃です。笑

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溜息をつきながら玄関を開けるようなことはするな

母より


事あるごとに母から言われたこと、いや母の唯一の願いでしょうか。
母自身はといえば、偏頭痛持ちで1年間のうち360日くらい頭が痛いと言って溜息をついている印象がありますが、子供の溜息だけは許せないようです。
まぁ、この4年間溜息なく毎日元気いっぱいに生活していたかと問われれば、むしろそんな記憶は皆無に近いかもしれません。学生は学生なりに悩み、無意味なことに頭を巡らせているわけです。しかし、やはり溜息は溜息に変わりなく、そこからは幸運が舞い込まないことも事実です。溜息ばかりついていた大学1年生、溜息をつくなと言い聞かせていた大学2年生、コロナ到来で溜息すら出なくなった大学3年生、気がつけば溜息なんてついている暇もなくなった大学4年生。これが母親の望んだ成長の過程かどうかは分かりませんが、少なくともこの1年間は、溜息の存在なんて忘れていました。無駄なCO2を排出してる暇があるなら・・と考えられるようになった私、少なからず上京時に母から伝えられた言葉が影響しているのかもしれません。

社会人になったら、また溜息ばかりだって?
それはまた、それ。笑

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なんとか大学を卒業し、いよいよ社会に出て、本格的に将来設計を考えなくてはならない今、無条件に両親の凄さを感じたりなんかしたりしています←

皆さんは年度末の今、どんなことを考えていますか?

私と同じように社会人になる方。これから学びを深める方。新たな学年や、新たなステージで活躍をする方。引きこもりを決断した方。何も変わらず、何も始めない方。何をどうしても、春です。春が始まります。一緒に春を、迎え入れましょう。

私も4年前、某アニメーション映画のラストシーンさながらに、お気に入りのおもちゃたちを実家で整理したときと同じ気持ちで、スーツのしわを伸ばしながら迎え入れます。春を。


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