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ポムポムプリンはゴールデンレトリバーらしい。

そんな衝撃の事実を、会社の後輩が教えてくれた。

本当に世の中は知らないことに溢れているなぁと思う。
ちなみにシナモンロールも犬らしい。てっきり妖精かなんかの類いだと思っていたが、まさか実在の生き物がモデルだったとは。2024年上半期、衝撃の出来事、堂々の1位は、プリンとシナモンが犬だった…ということで間違いないだろう。

そんなサンリオに驚かされたから、今回の記事は「わたしとサンリオ」のこれまで、について書いてみたいと思う。

とは言ったものの…
先に断っておくが、上記の通り、わたしはサンリオに詳しいわけではない。自ら好んでサンリオグッズを求めにいったことはないし、サンリオと何か特別な接点があったわけでもない。だが、彼らはいるのだ。こちらがどんなに冷たくあしらったとしても、サンリオは誰の人生にも広く浅く、時たま深く、根付いているものなのだ。あなたの人生にも、きっとサンリオはそばにいる。

***


乳児期(出生~1年未満)とサンリオ

そんな生まれて間もない頃のことなど、覚えているはずがない。しかし、この世に生を授かった瞬間から、サンリオは身近な存在だったのだ。
それを証明するのは、昔の家族アルバムと母子手帳。
そこには、点と丸だけで描いたような素朴なハローキティのイラストが写っている。赤子にまったくの害を与えない、真っ直ぐにこちらを見つめるハローキティ。それはまさに、昨日今日誕生した新たな生命に、まぎれもなく「こんにちは」と声をかけるかのようである。(やかましい)

幼児期初期(1歳~3歳)とサンリオ

4つ歳の離れた姉の持ち物に、新たなサンリオとの出逢いがあった。キキララ、ばつまる、けろけろけろっぴだ。我ながら時代を感じる並びである。中でも鮮明に覚えているのが、姉の部屋に置いてあったキキララのペン立て。ゆるふわピンクの四角い入れ物を見たときが、もしかすると初めて「自分と違う好みを持っている人がいる」と認識したタイミングだったのかもしれない。ちなみにキキララは2人の女の子それぞれの名前で、ふたりセットでいるときの状態は「リトルツインスターズ」というらしい。キュアブラックとキュアホワイトが合わさって、ふたりはプリキュア、みたいことだと思う(?)

幼児期後期(3歳~6歳)とサンリオ

幼稚園という初めての社会経験。そしてここが、おそらく我が人生において、後にも先にも史上最高のモテ期だったに違いない。バレンタイン当日、幼稚園バッグにもらったチョコレートが入りきらないという理由で、ひとり先生に呼び出され、これで帰りなさいとオプションのカバンを持たされたりしていた。そんな幼稚園時代で、わたしに好意を持ってくれたひとりの女の子、彼女が好きだったものこそ、サンリオのシナモンロールである。チョコレートの包装はもちろん、いただくお手紙は、いつもシナモンの封筒と便せん。そこに書かれていた内容や、一体彼女とどんな話をしていたかなんて、年齢とともにどんどん忘れていってしまうけれど、シナモンを見ると未だにちょっとその子のことを思い出す。ちなみにこれがのちに思いもよらない災いをもたらす。

学童期(6歳~13歳頃)とサンリオ

小学校の6年間。人間の基礎が出来上がるとき。必然的にサンリオとの遭遇率も激増するわけだが、特に小学校低学年のときの出逢いは、ショッピングモールやゲームセンター、デパートの一角で鉢合わせる「出来立てのポップコーンはいかが?」のアイツだろう。わたしの時代は、「ムシキング」「オシャレ魔女♥ラブandベリー」「ハローキティのポップコーン」という並びを、親の顔以上に見た気すらする。と言いつつ、我が家の教育方針的に、あんまりゲームセンターの近くには近寄らないという暗黙のルールがあったため、この類いのゲームに手を振れたことはなかった。が…いつかの反抗心で唯一手を出したのが、「出来立てのポップコーン」だった。(浅い思い出)

小学校も高学年になると、同級生の女の子たちの中で、徐々に"サンリオを卒業"する人たちが出てきた。そんな中で1人だけ、頑なにサンリオグッズを持ち続けている子がいた。恋愛感情というほどではなかったが、わたしはその人のことが好きだな~と思っていたし、向こうにもなんとなくそんな気があったと思う。ある時「シナモンが好きなんだよね」と教えてくれたから、わたしは「幼稚園のときにシナモンのラブレターをたくさんもらったことがあったよ」と返して、そのまま関係はギクシャクした。思いもよらない災いとはこのことだ。サンリオは恋愛のいろはにも顔をのぞかせてくる。(これはどう考えてもわたしが悪い)

青年期(13歳頃~22歳頃)とサンリオ

中学・高校・そして大学の入学へ。歳を、学年を、重ねるごとに、サンリオとの関わりは減っていくようになった。それでも決して無くなるわけではないからすごい。どこのコミュニティにいっても、老若男女問わず1人や2人は必ず「サンリオ好き」という人がいるし、海外などに渡って万国共通で話題にできる日本のキャラクターは、マリオとピカチュウとキティちゃんである。マリオ先輩とピカチュウ大先生は「ゲーム」という強力な前提条件があるが、キティちゃんだけは生身ひとつで世界と闘っている。アメリカで「HELLO KITTY」のショップを見たときは、ユニクロ以上に感動した。

国内では定期的に思いもよらぬところでサンリオと遭遇した。献血だ。
わたしは高校時代から、年に1回は献血に行くようにしているのだけれど、献血にいくといろんな「献血グッズ」がもらえたりする。日本赤十字社の公式キャラクターには「けんけつちゃん」という血液がモデル?のキャラがいるのだけれど、そんな彼?彼女?とコラボレーションしていたのが、サンリオのスターたちだ。けんけつちゃんとシナモンロール、けんけつちゃんとポムポムプリン、けんけつちゃんとマイメロ、けんけつちゃんとクロミちゃん。君たちどんだけ仕事するんだよ…と思ったが、そのアベンジャーズアッセンブルみたいな光景には、もはや尊敬の気持ちだった。

このころ軽い社会ブームとなっていた「ぐでたま」や「kirimiちゃん」も、もちろん認識している。ふと旧Twitterのタイムラインに流れてくる、彼らのつぶやきに、心救われたことだってある。「もう帰りたい」「雨やだね」「ねむい」そういう一見ネガティブなコメントも「kawaii」のパワーで「個性」に変えるというのは、さすが世界のサンリオだと思った。

成人期(22歳~現在進行形)とサンリオ

就活のとき、いろいろ受けた面接企業の中に「サンリオ」があった。内定人数1人か、2人というような狭き門ゆえ、一次面接まで通ったのちに、もれなく「お祈りメール」を受け取ったのだが、この企業ほど「お祈りメール」の内容や、面接全般に関する対応が良い企業はなかったと思う。
サンリオピューロランドの現社長である小巻亜矢さん、わたしは彼女の考えや価値観が大好きで、それゆえの「サンリオ」への応募だったのだが、新卒でのご縁は無かったと知らされても、この企業は応援しようと、そう思った。

そんなわけで、すっかり「サンリオ」の「サ」の字もない社会人生活をスタートさせたわけだが、つい先日、久しぶりにその名を聞く機会があった。会社の後輩が、マクドナルドのハッピーセットに「ポムポムプリン」が登場したと、教えてくれたのだ。人気のおもちゃで、既に売り切れの店舗もあるというから、その根強い人気にはまったく頭が上がらない。だが出逢いとは一定期間立て続けに続くもので、その晩会った友達と、さっそくマクドナルドへ行こうという展開になった。そしてわたしは、何十年かぶりに「ハッピーセット」を頼んだのだ。
翌日、そんな会社の後輩に「ハッピーセット」のおもちゃをあげたら、「ポムポムプリンってゴールデンレトリバーなんですよ」と衝撃の事実を告げられた。それを知ったからなんなんだ、という話ではあるのだが、これまでの学生生活と、これからも続いていく社会人生活、その最も大きな違いは、「インプット」と「アウトプット」の比重だと、わたしは思っている。「インプット」の量で評価された時代は終わり、「アウトプット」の量で成果が決まることが多いのが、これからの人生だ。その中では、たとえサンリオの、ポムポムプリンの正体だって、"新しく知る"という機会は大変貴重で、それはとても面白いものなのである。久しぶりの「サンリオ」に、わたしはちょっとばかり嬉しくなった。それと同時に、きっとこの先も、この子たちとはたまに出逢うんだろうなとも思ったりした。


意識的に関わったことなんて、これっぽちもないはずなのに、いつも、何気に、登場する。「わたしとサンリオ」の話である。



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