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日本全都道府県に行ってきた(直島)

これまでの流れはこのマガジンからどうぞ。

11月17日

昨晩は東京から高松まで弾丸電車旅。

ひと晩寝たら元気になったので今日は観光だ。

目的地は、直島。

アートの島として日本はおろか海外でも有名な島なので、美術好きの僕としては外せない目的地だ。

今日は大人しく琴電に乗って、高松港に行くことにした。

でも、来た電車を見て興奮してしまった。

京浜急行の車輌じゃん!

車内のシートや、走行音なども変わっていなく、タイムスリップしたような懐かしさを感じた。

地方の私鉄に乗るとこういうことが良くあるので、懐古趣味に走りがちなオジサンは涙目になってしまうのである。

京王電鉄の車輌も走っていて、これまた懐かしさ倍増。それにしても、お城の石垣のすぐ脇に電車の駅があるなんて、なかなか他では見ないような…(あ、山形城もそんな感じだったなあ)。

おっと、朝ごはんを食べてなかった。もちろんここはうどんだろうな。
セルフ式のお店に入り、えーと、どうやって頼んだらいいんだろうな…と若干困惑するも、前の人の動作を盗み見しながらオーダー完了。

おあげが丼からはみ出るくらい巨大でたまげた

通勤前と思しき人でそれなりに混んでいるうどん屋さんでずるずるとうどんをすすり、高松の人は、朝からうどんを食べるのは本当なんだなあ…。

さて直島行きの船に乗らねば。

高松港はさすがに瀬戸内海の港で、小豆島を初めとした島に行く大小の船の乗り場でにぎわっていた。

直島行きの船は、小さなモーターボートのような高速船だった。国内外の観光客でかなり混んでいる。

船は港を出てしばらくすると、かなりの速度で瀬戸内海を進む。

潮風が気持ちいい!

船は、30分ほどで直島の港に到着。

桟橋の向こうに見えるのは…ほお、あれが例の有名な…

赤かぼちゃ!
のどかな島に突如と出現するサイケデリックな物体は、やはり度肝を抜かれる。

ここからバスに乗って、美術館エリアへ向かう。そのバスも草間彌生デザインだった。

波打ち際を歩いていくと、またしても…。

今度は黄色のかぼちゃ。これは突堤のどん詰まりに配置されていて、自然あふれる背景の中で非日常感を出していた。

その先を進み、李禹煥美術館に向かう。彼のことはつい最近知ったのだが、東京で行われていた展覧会にも行って感銘を受けていて、こちらも楽しめた。

これらの作品も、異なる質感の物体をぽーんと一見無造作に差し出し、受け手を困惑させる、考えさせるような働きかけがあった。
不思議な印象を残す美術だなあ…。

そしてこの島のハイライトである、地中美術館。

日本の美術館は撮影禁止のところが多くて、もったいなあ、と思う。しょせん素人がカメラで撮る写真なのだから、それを見て「ああ、もう実際に見に行かなくてもいいや」なんて思う人はあまりいないと思うし、やはり画像が残っていないとどうしてもその当時の記憶が薄れやすい。

ともあれ、地中美術館は展示物がとても少なくて、下調べをしてなかった僕は、「え?これだけ?」と驚いてしまったが、さすがにそれだけのことはあって、圧倒される作品ばかりだった。

モネの「睡蓮」は圧巻だったなあ…。

その他にも、島のあちこちにアートが設置されていて、美術館のような屋内で見るのとはまた違う楽しみ方ができた。

帰りに寄った本村の集落は、昔ながらの漁師町と言った風情で、入り組んだ路地を歩いているだけでも楽しかった。

民家をアートスペースにした「家プロジェクト」も見たかったのだが、時間が足りなくなったので断念。港に戻ることにした。

路地を歩いていたら、とても怪しげな銭湯を発見。外観を見ただけにとどめたが、ここでひとっ風呂浴びて行けばよかったなあ、と今になって後悔している。

そしてまた、赤いかぼちゃの辺りをウロウロ…空と雲が美しい。

だんだん日も落ちてきて、空が素敵な色になってきた。

そして帰りの船がやってきた。

帰りの船はフェリーだったので、かなり大きなサイズ。所要時間も1時間と行きのほぼ倍だったが、これがかえって良かった。

刻一刻と色を変える空を屋上のデッキから眺めていると、時間の経つのも忘れてしまう。

瀬戸内海、本当に美しいなあ…日本の原風景とでもいうか。

奥に瀬戸大橋

高松港に到着する頃は、もう夜空になっていて、今日もいい一日だったなあ…という満足感が湧いてきた。

いや、美味しいものを飲み食いしないうちは一日を終えられないよね。

美しい自然と、美術を堪能した良き一日だった。

(つづく)