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「シン・ニホン」〜今生きてる日本人が日本語で書いた本の中で最も”ヤバい”本〜


1. 著者 安宅和人さんについて

ベストセラー間違いなしの「シン・ニホン」についての文章だが、その前に著者との関係について触れておくと安宅さんは、マッキンゼーとヤフーソフトバンクグループで同僚だった時期がある。4半世紀の付き合いだ。

いつもそうだが、安宅さんは本を書くことが目的ではなくて最初に「強い危機感」と「問題意識」がある。

「イシューからはじめよ」もそうだった。

まだ20世紀のマッキンゼーの深夜0時を回ったオフィスで、
「最近のBA(ビジネスアナリスト - 学卒新人コンサルタント)がイシューアナリシスが全然できなくて、ヤバいんですよ。的外れのイシューじゃない分析ばかり持ってきて」とか延々いう。

(安宅さんとの会話では毎回お互い最低5回は「ヤバい」という)

もう個人タクシーを無線で呼んでて待たせていて早く帰りたかったりするのだが、結局安宅さんの熱い話を最後まで聴き込んでしまう。昔からいつもそれくらい的確で正論で熱いのだ。

「シン・ニホン」もそうだ。2016年、Ted x Tokyoで直接プレゼンを聞いた。

https://www.youtube.com/watch?v=G6ypXVO_Fm0

その頃、安宅さんは、Yahoo!CSOと慶応大学の先生の2足の草鞋でそれだけで十二分に忙しかったはずだ。それでも、「このままではニホンは本当にヤバい!」とさらに国の審議会などの検討に参画し切り込んでいった。(「わけのわからない世界に巻き込まれてる。全然寝てないのに、更に寝れなくなってる」と何度聞いたことか。)

2. 緻密なデータによる分析とほとばしる未来へのメッセージ

豊富なデータに基づき、様々な切り口で今の様々な日本の問題(政府、企業、学会、教育)が語られる。データ人材の育成に長く関わられてきたので、「データxAI時代がどういう時代になるか」、その際に必要な人材像と育成についても具体的な詳細が語られている。

膨大な量と濃さなので本の全ては触れることはできない。とにかくぜひ読んでほしい。少し明るくなり、やることがみえてくるから。

ただ、中でも僕が感じる最も重要なキーメッセージは、2つ

①世代間、性別間、分野間(福祉と高等教育)の日本のこれまでのリソース配分(役割)の見直しについて緊急提言していること

「数%で未来は変わる」

3.2兆円の予算変更と、一人一人が自覚を持って新しい努力をすることで
日本の未来は拓けることの道筋を明示したこと、これが今後10年、日本を動かしていく人がこの本を読むべき最大の意義だと思う。

②人口減少ではなく持続可能な人口適正社会のあり方を明確に指し示していること

人口減社会を問題としてだけ捉えるのではなくて、CO2排出量など持続性の視点と100年以上の時間軸で日本の人口を4500万、世界人口を50億人と仮に想定して、前向きに「この星」の未来の社会のあり方を具体的に構想している。(風の谷構想)

人々は、国のリーダーに自分の国を人口が多くてGDP上位の国にしてほしいわけではない。自分たちの一人ひとりにとって平和で快適な生活を続けることができ、さらにできれば豊かな社会にしてほしいと願っているのだ。

若い世代に貧困が広がっている、年金への不信感は大きい、日本の研究予算は削られ続けている、国際競争力と失っている、中国に負ける、いやとっくに負けている、部分部分で情緒的な議論は聞くが、自民党?経団連?医師会?何に忖度してか、どうすれば良いのか、野党からも、マスコミからも、研究者からも数字と論理を持って示された提言を見たことがなかったが、ここに明確に数字と分析に基づく提言がある。

3. 本というフォーマットについて

安宅さんもはじめにで冒頭触れているが、Tedで3年前に行ったプレゼンであり、関連資料も財務省HPで公開してあるとして今更、本として書き下ろすことに当初は躊躇している。

僕も、Ted のプレゼンはリアルタイムに聞き、その後も都度いろんな会合で顔合わせるたびに、「安川さん、ヤバいです」とシン・ニホンにも記載されている様々な事象や話を直接聞く機会もありスライドも見たことがある。

それでも、これは本として出され、より多くの人に読まれるべき、

と改めて思う。

それは本として「ある」ことで著者の存在を感じることができるから。
そしてそれを読むことで「ひとりの人間の未来を作ろうと思う一貫した強い意志を感じることができるから」

だと思う。

4. 特に、印象深い安宅語録(安宅さんの引用含む)


「文句は言っていい、しかし言った人が直す」は僕らが保育園や幼稚園で学んだ、この社会の掟だったはずだ。
もうそろそろ、人に未来を聞くのはやめよう。
(日本が)生き残れるかどうかはイシューではない。
この日本の教育システムが生み出している最高の人材は、テレビ番組でクイズ王になる、教育評論家や予備校講師になるぐらいしかないという残念なことになってしまう。
「気をつけ」「前ならえ」の廃止から「シン・ニホン」は始まる。
Make Sense という言葉は途方もなく深い。
本当の意味で肉化された知識、知恵
「来たときよりも美しく」(副知事になられた宮坂さんの言葉。宮坂さん流の登山とか、フィールドスポーツからの引用?)
「一日生きることは、一歩進むことでありたい」湯川秀樹

5. Generation Xの決意宣言として

文中「じゃまおじ」「じゃまおば」という表現が出てくる。
僕も知り合いのTed xTokyoのPatrick Newelの造語だ。(こういうセンスはNon Nativeでないとでてこない)

なにかというと、文句をいい批判だけして新しいことをする(若者の)じゃまをする。(ほとんどが「おじさん」だ。)

文中にもあるが、安宅さんと同世代のアラヒフGeneration Xとして、
竜馬を育て、西郷を説き伏せる「勝海舟」になれているか。
自分自身も進化し、これからの令和の元勲を育てているか、心して生きねば、と思う。(まず志士に相手にされないといけないが)

とにかく、日本に安宅さんが居て良かったそう思える本です。

PS ただ自分で書いててホント少しキモいんだけど「シン・ニホン」について書評書くと、同世代はみんな真夜中のラブレターみたいになるんだよなぁ。。

PS2
とか、書いてるうちに、本人のブログが1時間ほど前に先程あがった。
著者について、この本を書くに至った経緯、並々ならぬエネルギーと努力についてはこっちでいいじゃん!!



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