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ブルーブルー

雲の切れ間の日光が凄まじかった朝
セミは誰から鳴き出したんだろう
最後の仕上げに花火玉は磨かれて
縁日のためにと金魚は運ばれる
屋台を覆うブルーシートは何よりも青いだろう

朝のことを思い出したみたいに
セミが何人か鳴きだした夕暮れ
わたしは誰からも嫌われたくないので
花火はひっそりと橋の下でしたのだ
浮浪者たちのブルーシートは何よりも暗かった

靴箱の中で湿気を吸った花火は
何事もなく火を吹いて
線香花火はぱちりぱちりと爆ぜて
川の表層に橙を灯す
わたしは煙の匂いを必死に吸った

磨かれていた花火玉は
遠くの川で打ち上げられて
誰かのスニーカーがキュッと鳴った隙に
橋の端っこで微かに光った
空をかち割る音に
わたしの線香花火が落ちる
漏れ出た小さな光は
きっと金魚を黄金に染めた

空も川も
騒々しい明るさだ
さいごの花火はうまく燃えずに
煙となって
もとめている
ただ単色のブルー


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