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「カササギ殺人事件が凄いって話」 2月8日 日記

起きたら19時でした。


もう一回言います。


起きたら19時でした!!!!

そりゃあ8時まで読書したりシャワー浴びたりしてたので、起きるのは昼過ぎかなーとか舐めたこと考えてましたけど、起きたら真っ暗でした…そんなことある…?

なので今日は特に何もしていない、よって必然的に寝る直前まで読んでた本の話が日記のテーマになるというわけですね。

そんな夜更かしを私に強いたのがアンソニー・ホロヴィッツの『カササギ殺人事件』。後書きに構想15年と書いてありましたが、それも納得の超力作でした。
面白かったとこをまとめて書いていこうと思うんで、まだ読んでいない方はこんなとこでネタバレを踏むのは非常に勿体無いので気を付けてください。


ネタバレ回避空白




・作中作の構想が凄い!

この『カササギ殺人事件』は作中作の構成をとっています、作中作自体はそれほど珍しいものではないですが(最近読んだ中だと『熱帯』とか)、作品全体における作中作はその割合が大きければ大きい程、内容の面白さ必要性が求められます。
今作はなんと上巻がまるっと作中作になってます。この構成は下巻を読み始めた時の驚きを誘うためではありますが、作中作としての『カササギ殺人事件』が1冊使う価値があるほど面白さで成り立っています。
上巻残りで数ページで読者は、累積された伏線とそれを美しく回収するという探偵の口上、そして予想外の犯人を示唆する衝撃の一文に死ぬほどドキドキさせられます。結末を求めて下巻を開くとあら驚き、登場人物一覧が全員知らない人で埋まってます。違う本?
上巻を編集していた編集者が主人公として次は現実の事件に立ち向かいます。その現実での謎解き、そして作中作の『意味』が失われた作中作の結末が関連するという構想の美しさ、本当に最高。

・翻訳が凄い

本作はイギリスの作家の作品で、山田蘭が翻訳されています。本作の大きなポイントの1つに言葉遊びがあり、それはもちろん英語で作られています。それらは作中で意味を為す単語である上で、最後の謎解きでも意味を成さなければなりません。まぁ一部英語のままゴリ押しでしたが、それを見逃せば殆ど日本語で意味が通るようになっています。これって1つの謎を考えるのと同じくらいの苦労を有することだと思うので、改めてミステリーにおける翻訳の重要性を感じました、お金を払わせてくれ。

・それぞれの謎解きと対比が凄い

作中作として2つの謎があります、まず作中の謎は往年のミステリーを感じさせるような緻密なミステリーで、真実の意外性で勝負する近年のミステリーでなく、証拠を1つずつ精査していき、ただ1つの真実に美しくたどり着く。現実の主人公も同じ思考ですいりを進めるはずなのに、どうにもこうにもうまくいかない。解決への道筋も無茶苦茶だしオチも弱い。その対比が作中作をより輝かせるし、下巻の現実感とミステリ含めた創作物への意志を強く感じました。ミステリードラマの脚本を書いたりかなりのミステリー好きだそうで、その目線で今、ミステリーを書くとこうなるのかと感心しながら読んでました。

緻密な謎と世界観の素晴らしさや、手紙を使ったギミックの面白さ途中で挟まれるアナグラムなど語りたいことはいっぱいありますが、どんどん先を読ませる作者の書き口を含めて傑作だと思います。意欲的な作品なので、批判されるところもあると思いますが、自分はこの作品を読めて幸せでした。著者の他の作品も読んでみたいと思います。


明日はAPEXの新シーズンが来るのでゲームしたり、曲にメロとベースをつけようと思います、それでは。


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