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現代の注目テーマ〜「オンライン授業」

 コロナ禍で様々な学校,予備校,塾で授業のオンライン化が一気に進みました。「オンライン授業」に関するテーマは,今後,英語や現代文や小論文における入試の頻出トピックとなることは間違いないでしょう。

 過去には,2014年の早稲田大学(社会科学部)では「大学におけるオンライン授業の課題」をテーマとした長文が出題されています。また,2018年の金沢大学では「一方向的な対面授業+自宅での課題」と「自宅でオンライン講義+双方向的な対面授業(アクティブラーニング)」(=反転授業)のどちらがいいかについて英語で述べる自由英作文が出題されています。

 どうやら,早稲田大学はオンラインと対面の両者の長所を取り入れた「反転授業」(flipped classroom / flip teaching)の本格導入を模索しているようです。

 とりわけ,早稲田大学を受験する人は,「オンライン授業」に関するトピックは,長文でも自由英作文でも無視できないものとなるでしょう。


 現在,大学の授業だけが「オンラインのまま」とか「いつまでたっても対面授業が始まらない」ということが問題視されています。

 「大学だけがなぜ?」と言われていますが,中学生や高校生と異なり,学外での行動の統制をとれない,蜜を回避するだけの教室の確保が難しいなど,中高とは異なる問題を秘めているのも事実です。

 また,「オンライン授業」にデメリットしかないというわけではありません。「対面授業」にも「オンライン授業」にも,それぞれのメリットとデメリットがあります。オンラインのメリットを完全に捨て去り,完全に対面に戻すことは,それこそ今の大学生のある種の「犠牲」が,単なる犠牲に終わることと同義です。
 少なくとも,そうならないためにも,all-or-nothing にする必要はないことを早稲田大学は示そうとしています。従来の固定観念にとらわれることなく,一歩でも教育の質を前進させるためには今どうすればいいかを考えるときがきているのではないでしょか。

 どうしても目先の不満だけに目が行きがちですが,対面とオンラインの双方のメリットとデメリットを考慮し,デメリットを最小限にするためには,何が最適かを考え,新たな道を探っていくことが大切です。

 早稲田大学の模索する「反転授業」という「対面とオンラインのハイブリッド」は,「オンライン」のいい部分を残しながら,現状の課題をクリアするひとつの手法といえるでしょう。

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