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「アクティブ・ラーニング」の本質

 今,教育現場では様々なところで「アクティブ・ラーニング」という言葉が聞かれます。「アクティブ・ラーニングとは何でしょうか。文部科学省のホームページより引用すれば,

学びの量とともに、質や深まりが重要であり、子供たちが「どのように学ぶか」についても光を当てる必要があるとの認識のもと、「課題の発見・解決に向けた主体的・協働的な学び」

とあります。「課題の発見・解決に向けた主体的・協働的な学び」という部分から,

「アクティブ・ラーニング」とは
グループ学習や調べ学習をすること

だと勘違いしている人が多いように感じます。

 これまでの「教員が生徒に一方向的に知識を教える授業」は,生徒が「受け身」になると考え,新たなスタイルとして登場したのが「アクティブ・ラーニング」とされています。

 「一方向的な授業がよくない」というところから,「グループ学習」や「調べ学習」という「形態」が重要だという勘違いが生まれるように感じます。しかし,

大切なのは「形態」なのでしょうか

大切なのは,

生徒が「アクティブ」に脳を働かせているか

ではないでしょうか。

 「グループ学習」や「調べ学習」は一見,生徒が「アクティブ」に活動し,脳を働かせているように思えます。しかし,中には「人任せ」だったり,「他の人が調べたことをまとめるだけ」で「パッシブ・ラーニング」をしている生徒もいます。これでは意味がありません。

 逆に「一方向的な授業」でも,教師の問いかけに答えようとし,常に疑問を抱きながら授業を聞いていれば,「常に頭を働かせている」ことになり,「アクティブ・ラーニング」をしているといえます。

 つまり,問題なのは「授業の形式」ではなく「授業の運び方」ということです。

 「一方向的な授業」では,ただ板書をうつしている生徒は「パッシブ・ラーニング」をしていますが,常に考えながら聞いている生徒は「アクティブ・ラーニング」をしています。「グループ学習」では,自ら積極的に考え,発言し,調べていく生徒は「アクティブ・ラーニング」をしていますが,人が調べたことを聞いて,同調しているだけの生徒は「パッシブ・ラーニング」をしています。

 どちらの形式にしても「アクティブ・ラーニング」にも「パッシブ・ラーニング」にもなり得るということを忘れてはなりません。

 「一方向的な授業」では,「寝ている生徒はパッシブ・ラーニング」などと見かけで判断しやすいですが,「グループ学習」では,寝る人がいるということはないので,全員が活動していると考えがちです。「パッシブ・ラーニング」をしている生徒を見抜くことが難しいからです。「一方向的な授業」よりも,注意深く生徒を観察することが求められるといえます。

 以下の記事は,とても興味深いものです。


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