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東大入試で学ぶ英文解釈(1) 解説(等位接続詞、形容詞の後置修飾)

 1989年の東京大学の解説の続きです。

* 問題はこちら☟

 第4文の but 以下の解説になります。

… but one (so remote <from his old self> <that he appears, to those who know him, to be someone else entirely>).

 one の後ろを見ると,"so…that〜" のかたまりが続いていることがわかります。so と that の間に挟まれているのは「形容詞」です。ここで,「形容詞」の用法を確認します。

【形容詞の使い方】
 1. 補語になる 2. 名詞修飾

 今回は,補語ではないので,「名詞修飾」です。"remote" という形容詞が "so…that〜" で挟まれ,2語以上になっているので,後ろから名詞を修飾する形(後置修飾)になっています。形容詞の後置修飾は受験生が苦手とする部分なので,気づけなかった人は意識しておきましょう。

 次に,等位接続詞 "but" は何を結んでいるでしょうか。but の後ろにあるのは one という名詞です。よって,名詞と名詞を結んでいると考えます。前にある名詞は,what(=manner)です(ここの詳細は「東大入試で学ぶ英文解釈(1) 解説②」を参照してください)。すると,"one=manner" だと判断できます。

 以上で,1989年の東大の英文和訳問題の解説は終了です。精読とは,英語の構造と内容把握(文の流れ)の両方を意識して読むことである重要性を感じる問題だったのではないかと思います。たったい1文であるにもかかわらず,非常に多くのポイントが入った問題でした。きちんと精読し,理解したら,

このパッセージ全体(下線部だけでなく)を覚えるまで音読していくと力になります

ので,ぜひやってみてください。

* 本文全体の構文解析および訳はこちら☟


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