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東大英語で学ぶ英文解釈(5) 解説(要素の移動)

 東大英語で学ぶ英文解釈(5)の解説を行います。「東大英語で学ぶ」ですが,京都大学の問題を扱ってから,東京大学の問題へという趣旨でした。問題はこちらです。

 まず,上記の記事で述べた,

要素の移動


の部分を説明します。当該箇所は,第3文の主節に当たるところです。

…new technologies are known to have made possible eye-opening discoveries.

 太字の部分です。もしここの部分を,have made(=V),discoveries(=O)ととると,possible と eye-opening という2つの形容詞が discoveries を修飾することになります。すると,

「新しい科学技術は可能な目を見張るような発見をしたことで知られている」

という訳になりますが,「可能な目を見張るような発見」では意味がわかりません。

 ここで,別の視点で考えます。possible という形容詞と,eye-opening という形容詞の間に,「切れ目」があると考えてみてはどうでしょう。つまり,

… have made | possible | eye-opening discoveries

ということです。もう一度,品詞ごとのかたまりで考えます。

have made(=V)

possible(形容詞)

eye-opening discoveries(名詞のかたまり)

です。

(1) possible の考え方

 形容詞の用法は,

① 名詞修飾
② Cになる

の2つです。さきほどの分析から,「名詞修飾」ではありません。よって,

Cになる


と考えます。

(2) eye-opening discoveries の考え方

 名詞は,S/O/C になります。S にならないのは確実です。(1)より,possible が C なので,もし discoveries が C だと考えると,SVCC となってしまいます。そんな文型はありません。したがって,O と考えることになります。

 (1)と(2) を踏まえると,have made(=V),possible(=C),eye-opening discoveries(=O)だと判断できます。

 ただし,SVCOという文型はありません。もともとは,

have made eye-opening discoveries possible

の eye-opening discoveries が possible の後ろに回った形,すなわち,要素が移動した形だと考えることで,構造も意味もつながります。


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