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ソーシャルゲームはエロいイラストを見ることが出来ないと続けることはできない

 あれだけ好きだったソーシャルゲームに一時も向かい合わない時間が増えてしまつた。ローンチしてから3年以上、片時も離さずに続けていたはずなのに今や起動すらしなくなったし、誤って起動したら無慈悲無感情にスワイプを行い停止させる。そして二秒後には起動したことすら忘れ、ソーシャルゲームの存在を記憶の彼方へと飛ばす。これの繰り返しだ。
 なぜこんなことになってしまつたのか。単純に飽きがやってきたのだろうと断定することは簡単なのだが、そう単純なものでも無いと思う。ソーシャルゲームを辞めた時期を思い出してみると、Twitterのアカウントを消した時期と重なることを思い出した。Twitter、いまやINITIALに旧を付与しなければ隠者のような扱いを受けるらしいが、僕の中では未だにTwitterだ。
 して、そのTwitterが一体何の関係があるのか。Twitterに求めていた役割といえば、人と交流することと人の諍いを傍観すること、情報収集とそしてエロいイラストを眺めることだった。今思い返しても人と交流すること以外、しょうむない理由が並んでいるのだが、この情報収集とエロいイラストを眺める行為がソーシャルゲームを続けるには重要な要素であったと思う。
 なぜ、情報収集とエロいイラストを眺めるという2つの要素が重要なのか。
 Twitterをやっていれば求めている情報にアクセスすることはかなり容易であった。とりあえず、キーワードを調べれば一時的なソースにたどり着くことが出来たし、事象の流れも把握することが出来た。しかし、今ではどうだろうか。検索エンジンが広告に塗れ適当なソースを開示することができないではないか。それもそのはずで、Twitterを活用すればそれなりの情報にアクセスできる今、Twitter外で情報を発信することに意味を見出し難い状況になっている。そんな状況が続いているので、Twitter外でソーシャルゲームに関するソースを追うことが大変にしんどくなっているのだ。色々駆使すれば信頼に足る情報に辿り着けることは理解できているのだが、そこまで行う労力のことを思うと食指が動かなくなる。
 そして、もう一つ重要な要素としてエロいイラストを眺めることがある。なんぼ理由付けしたところで、お前の助平心を肯定できるかアホンダラと思っていたのだが、助平心を一旦棚に上げて考えてみた。
 経験論でしか言えないが、ソーシャルゲームというのは基本的にキャラクターありきの構造をしていると思う。たとえ、ストーリーや世界観が良いと評判があったとしてもだ。キャラクターが排出されるガチャシステムが商売として根幹にある限りは、キャラクターありきの構造は揺らぐことがない。
 この構造を確固たるものにするには、キャラクターを魅力的なものに仕上げる必要がある。では、この魅力的というのはどういう要素を指すのだろうか。それはもちろんの如く、デザインや性格、言動のことであろう。しかし、それらの要素をパーペキにしたとて魅力的に映ることは難しい。なぜか。煽るものが無いからである。
 煽るものは何だろうか。もちろん、情欲のことである。異性の身体を貪りたいという色情や我がものとしたい執着心、それを煽るために昨今のキャラクターはどんどん乳が長くなっていくし、太ももがバオバブのように太くなっていく。性格もプレイヤーに準拠するような依存性の高いものに変化していくし、着る服の面積もやおら小さくなっていく。この結果、煽りに煽られたプレイヤーたちはジャンジャンバリバリと課金するようになり、キャラクターありきの構造を確固たるものにする。そう、僕のように。
 魅力的なキャラクターの煽りはソーシャルゲーム外でも威力を発揮する。イラストを描く者たちも煽りに煽られ居ても立ってもいられなくなり、筆を取りイラストを描きまくる。描く対象が情欲を煽る存在であるが故に、出来上がるイラストも情欲を煽る者へと変貌する。もしかしたら、彼ら彼女らは情欲を掻き立てることは意図していなかったかもしれない。しかしながら、キャラクター自体が煽りを持っているので、どうしても煽りから逃げられないものになる。その結果、エロいイラストがタイムラインに放出されるのだ。もちろん、そのイラストは煽りを持っているので、そのイラストを見た人は意図せず煽りを受け、イラストのキャラクターを手に入れたいが為ソーシャルゲームへと没頭する。
 という二つの要素が、僕の中で重要なものであった。しかし、Twitterを辞めた今、煽るものが一切に無くなる同時にやる気もどこかへ消え去っていった。
 此れを書いたところで、久しぶりにログインしてみようかと思いソーシャルゲームを起動してみた。画面に映ったのは、「1083Mのアップデートが必要です」という文字。少し考えた後に、スマホを窓の外へ投げ捨てて床に就いて本を読むことにした。


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