見出し画像

基本手当(失業手当)ってなんだっけ?

こんにちは、ぺろよしです。
今回は雇用保険の中で一番メジャーである「基本手当(失業手当)」について書いていこうと思います。

◆基本手当とは

今まで何度か書いてきましたが世間一般的には基本手当=失業手当と呼ばれる方がメジャーかもしれませんね。
基本手当は「退職や失職など仕事をしなくなっても、生活に困る事なく安心して再就職に向けて活動が出来るようするための給付」を目的としています。再就職に向けてというのが太字になっていますがここがポイントでして、退職すれば誰でももらえる訳ではなく、今まで書いてきた給付と同じで対象項目を満たす方のみ受け取る事が出来ます。

・失業の状態にある事
・離職の日以前2年間に被保険者期間が通算して12か月以上ある事

「失業の状態にある事」というのは求職の申込みを行い就職しようとする積極的な意思がありいつでも就職できる能力があるにもかかわらず、本人やハローワークの努力によっても職業に就くことができない状態とされています。

病気やけが、妊娠・出産・育児・介護のためすぐには就職できない時
定年退職等でしばらく休養しようと思っている時
学業や家事に専念するのですぐに就職することができない時

などは失業の状態とは見なされない為、受給条件とはなりません。ただしやむを得ない事情がある場合、特定理由離職者として認定されれば失業保険の受給延長申請が可能です。詳しくは後述をご覧下さい。

被保険者期間が「通算」12か月以上必要であるというのも大切です。例えば職を転々として1年足らずで退職と就職を繰り返している場合であっても、雇用保険の被保険者期間が今までの勤め先で合わせて12ヶ月あれば受給の資格を満たしている事になります。1つの会社で1年勤めていなくても大丈夫という訳です。
言い換えれば新卒で入社した会社を一年足らずで辞めた場合は受給資格を満たさない事になります。


◆支給される期間って?

大前提として受給可能な期間は退職日翌日(毎度おなじみこれを資格喪失日と言います)から1年間です。当然ですが定職に就かずダラダラしている限りずっともらえる訳ではありません。
この間に傷病・妊娠・出産・育児等の理由により引き続き30日以上働けなくなった時は受給期間を延長することができます。ただし延長できる期間は最長で3年間です。

失業手当の手続きはハローワークで行いますが、退職した人が書類一式持って「たのもー!」と言ってもすぐに支給とはなりません。

どんな退職者であっても申し込んだ日(受給資格決定日と言います)から7日間は絶対にもらえません。

この絶対にもらえないエンペラータイムを「待機期間」と言います。
そして退職の理由によってはそこからさらに2か月間(過去5年間に2回以上自己都合で離職している場合は3か月間)は給付制限期間が設けらており、失業手当を受け取る事が出来ません。待期期間と制限期間が終わっても実際にご自身の銀行口座に振り込まれるには少し時間がかかります…(お役所だから)
なのですぐに働かず退職する場合、ある程度手持ち軍資金を貯めておいた方がいいと言われるのはこういった事情があるからなのです。

では具体的に何日間失業手当が給付されるのか?
退職の理由や雇用保険の被保険者であった期間等によって異なってきます。

●自己都合退職の場合●
被保険者期間
10年未満:90日
10年以上20年未満:120日
20年以上:150日

ここの日数まで覚える必要があるのは2級FP試験ですかね。
自分のトータル勤続年数から当てはめてこの期間もらえるんだなーと知っておいたら十分かと思います。


◆自己都合と会社都合の違いって?

しれっと「自己都合退職」という言葉が出てきました。
もうひとつ「会社都合退職」という言葉もありまして、ぜひ覚えておいてほしいのは自己都合か会社都合かで失業手当の受給開始の日が異なるという事です。

自己都合退職(退社)とは転職や独立など自ら希望して辞める事を指します。定年退職や契約期間満了での退職もこれに該当します。
また、懲戒・諭旨解雇(違反や犯罪等法に触れる行為を犯した場合や就業規則違反・信用失墜行為など)、要は自ら悪い事をしたが故に解雇された場合なども自己都合退職となるケースがほとんどです。
自己都合退職の場合、一般離職者と呼ばれます。

恥ずかしい話ですがうちの会社…この懲戒解雇が後を絶たないのです。離職票を書いている身からすれば、悪い事…まあ例を挙げると横領や商品の不当転売などで解雇されたとしても失業手当は受給出来るのがモヤモヤします…。こちとら真面目に働いてるのにー!!

…話が逸れましたが、退職=この自己都合退職で処理されるケースがほとんどかと思います。この場合先述した様に7日間の待期期間に加えて更に2ヶ月間(過去5年間に2回以上自己都合で離職している場合は3ヶ月間)の給付制限期間が設けらております。

昔は3ヶ月だったのですが一月短縮されたのは余談です。

更に自己都合退職であっても出産・育児・介護などの理由で退職した人や希望退職に応じた人や更新の延長がかなわず退職した人などは特定理由離職者となり、被保険者期間6ケ月あれば受給が可能となります。

自己都合に対して倒産したとか突然リストラされたなど退職の原因が本人ではなく会社にある場合、会社都合退職(退社)となり特定受給資格者と呼ばれます。
本人に落ち度がないから可哀そうだよね!って事でこの特定受給資格者と認定されれば給付制限期間なしで失業手当の受給が可能です。また、給付日数も一般離職者よりも長いです。(具体的な日数はコチラを参照ください)

自己都合か会社都合か…かなり大きなところではあります。
ぺろよし達労務担当者が発行する離職票と退職願(解雇の場合は更に必要書類が増えますが)でハローワークが最終的に判断をします。


◆いくらもらえるの?

失業手当の金額は給付日数×基本手当日額で計算します。
基本手当日額って何ですかって感じですが、離職した日の直前の半年間に支払われた給与の合計を180で割って算出した金額(賃金日額)の約50~80%(60歳~64歳については45~80%)の事です。これは今まで私が書いてきた育休給付金なんかにちょっと似ていますね。
基本手当日額は年齢区分ごとに上限額と最低額が定められており、毎年8/1に厚労省によって変更されます。具体的な金額は割愛しますが大体6千円台後半~8千円ちょいくらいです。これに給付日数をかけた金額がトータルでもらえる失業手当の額となります。

ちなみにですが、失業手当は非課税扱いです。
可哀そうな人に対して税金取るのは流石に鬼なので…(;´∀`)
ただし注意してほしいのは非課税扱いだとしても所得は所得です。よくあるケースが退職したから健康保険の扶養に入ろう!と思っても失業手当をもらっていれば所得ありと見なされてしまい受給期間中は扶養に入れない場合があります。
大体の目安が日額3612円です。これをオーバーしていれば扶養加入はほぼ確実にアウトだったりするので注意して下さい。健保組合によってはもっと厳しい基準がある所もあるので一度問い合わせてみてくださいね。
逆に言えば受給が終わってしまえば扶養に入る事は可能です。

◆受給手続きの流れ

ぺろよしはもう100回近くの退職手続きをこなしていますが、まだ退職した事がないので実際の手続きにつきましてはさらっと書いておきます。

ハローワークインターネットサービスより

退職後、書類一式持ってハローワークに行くと上記の表の流れで受給資格に認定が下ります。その後は
①7日間の待期期間の後、雇用保険説明会への参加
②失業認定
③給付制限の後(特定受給資格者はなし)、失業手当受給開始
といった流れの様です。
4週間に一度はハローワークに出向き、失業認定を受ける必要があります。


以上、簡単ではありますが失業手当全般について綴りました。
退職して次の就職先が決まってないのであれば色々不安な事もあるかと思いますが、失業手当があれば金銭的な不安については少しは解消されるのではないでしょうか。

失業手当は雇用保険のメイン部分ではありますが、他にも教育訓練給付や就職促進給付など結構ありがた~い制度もそろっております。
(詳しくは以下のぺろよしnoteをご覧ください)
またハローワークでも就職に向けての様々な相談に乗ってくれたり、履歴書・面接の対策や各種セミナーなどが行われています。(しかも無料で…)
こういった制度を活用しながら次の新たな第一歩に向けて頑張っていってほしいなと思います。


この記事が参加している募集

退職エントリ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?