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【読書感想】ねこと王様 しごとをさがす

先日図書館に行き、気になる絵本を見つけた。

「ねこと王様 しごとをさがす」(ニック・シャラット作・絵 市田泉 訳/徳間書店)


読み終わってから気づいたが、この本は2巻目らしい。

1巻目を飛ばしてしまった。

今ちょうど、自分の心境、環境の変化での不安等と重なり手に取った絵本です。


お城が燃えてしまい、町に引っ越してきた王さまとねこのお話。
そして、タイトル通り お金が少なくなり仕事を探すことになったお話。

私が心に惹かれたところ
①ねこが優秀
②ねこの得意なこと、好きなこと
③王さまが得意なこと、苦手なこと
④ネコの作るお菓子や料理がとても美味しそう
⑤ドラゴンの機嫌について
⑥絵が好き


①ねこが優秀

このねこ、とても優秀。
話すことはできないけど、良く周りを観察している。
王さまの良き理解者。

料理が上手で、周りの人の事を考えられて、何より王さまのことを一番に考えている。

そんな素敵なともだち。
私の憧れで、心惹かれてしまう。

②ねこの得意なこと、好きなこと

このねこ、自分自身のことをよく見ている。
何が得意か、好きか。
毎日の生活で使う食費や交通費、今のままで暮らしていたらどれくらいでお金が尽きてしまうかを、パッと計算してしまう。

もはや、私にとってスーパー主婦ならぬ、スーパー主ねこ!!
自分のこと、きちんと理解しているね。
家に一人、ならぬ一匹は欲しい。

これまた、私の「こんな自分になりたいな」像にぴったり。


③王さまが得意なこと、苦手なこと

王さま、というステータスは特殊なので、一般の人と暮らすとき支障が無いのかな?とちょっと心配しながら読んでました。

王さまが得意なこと。
やはり、特殊でした(笑) 王さま自身は気づいているのか分かりませんが、ともだちのねこは、きっちり理解しております。

王さまが働くうえで、求人欄”はたらき手ぼしゅうちゅう”と王様の適職をにらめっこして選んでいきます。

「王さまだから、仕事なんかないよ。」と勝手に思い込んでいた私。
ねこの鋭い洞察力に驚きました。

苦手なことについては、求人の仕事からなんで出来そうにないか考える。(
消去法)
とくいなことについては、リスト化していき求人の仕事と当てはめていく。

PCも使えてしまうねこ。
カッコよすぎます・・・。

これは何というのだろう、ファーストレイディ?それともコーディネーター?エージェントというのだろうか。

ねこよ、きちんとお給料もらってもいいレベルだよ。


④ネコの作るお菓子や料理がとても美味しそう

お料理がね、とても美味しそうなのです。
作者さんの表現がとても上手で、思わずゴクリっと喉を鳴らしてしまいます。

私が食いしん坊だからかな、わかりやすい表現なのに、私も一緒に食べたくなってしまう。

特に、下記の箇所

ひるごはんは、みどり色のおいしいソース、ペスト・ジェノベーゼをかけたスパゲッティです。

p96「ねこと王さま しごとをさがす」より引用

イギリスの料理なんだろうな。
どんな味なのだろう、一口食べた時、私はどんな表情をしているのだろう。
自分で作ってみたい?それとも、その料理が有名なお店を調べて食べに行く?

いろいろ妄想が広がってきます。

⑤ドラゴンの機嫌について


前作、このドラゴンのせいでお城が燃えてしまったそうです。
この時代にドラゴンがいるとは、末恐ろしい。

ドラゴンで架空の動物ですが、実に人間っぽくて面白い。
勉強熱心なねこは、ドラゴンもリサーチして好きなもの、嫌いなものを調べてあります。

ドラゴンの好きなもの、嫌いなものを初めて知った私。
「なんだか、こんな感じの人いるなぁ。」と想像してニヤニヤ。

機嫌が悪くなったのはどうしてなのかなぁ~、と本を読んでから色々考えてた私です。

「気持ちよく飛んでたら、鳥に当たってしまった」とか、「鼻歌を歌いながら飛んでいたら、鼻に枯葉が入ってしまい取れなくなった」とか。(笑)

王さまやお城の人たち、街の住人にとっては、大変なことですが、
でも、ドラゴンを「こんな感じの人」としてとらえると、「あー!!!」と思わず叫んでしまう。

かわいいな、ドラゴン。


⑥絵が好き

絵が好きです。

文章と絵から、どんどん王さまをはじめ色んな人たちの表情が変わっていき、「何がいけなかったのかな?」と一人反省(私が)
五味太郎氏、ヨシタケ シンスケ氏の絵も好きです。
シンプルな表情から、色んな感情や心情を想像してしまいます。


最後に

読んでいくと、たくさんのことに気づきます。
大人の言葉でジャンル分けすると、自己啓発、心理学、就職活動、家政学、ビジネススキルなどなど。

ねこが作った料理を王さまとねこがどんな感じで食べているか。
王さまとねこがおひるの後に必ず読む本「わらい話」。
これも日によって、ボソっと話す王さまの言葉から心境が想像できてクスっと笑っちゃいました。(王さまに怒られそう)

絵本の中には、おなじ人物も何度か出てます。
一人ひとり辿っていくと、とても面白い。
まるで、「ウォーリーのえほん」を読んでいるかのよう。

「ウォーリーのえほん」は、私が小学生のときにたくさん読みました。
ボロボロになった絵本です。

子どもの時の私だったら、この絵本を読んだときどんな感情を持っただろう。ねこのように、冷静に分析は出来ないにしても 色々感じて何度も読んだかな。それとも、難しくて一回しか読まなかったかしら。

大人の私は、数回読んでは 胸に突き刺さるものありました。
今、心が疲れちゃってるからかもしれません。

何度も読んで、また色んなことに気づきたいな。

近々、1かん目も借りようと思います。

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