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『小→大』なのか、『大→小』なのか②

『小→大』なのか、『大→小』なのか、の問については、結論から言ってしまうと、正直どちらも大事って思う。

サッカーを始めたばかりの子は、どちらかというと『小→大』の過程になることが多いと思うし、それは彼らのモチベーションにもつながると思うので、全く問題ないと思う。

でも、さぁチームで大会に挑もう!となったときに、やはりその視点だけでは足りない。そのときに必要になるのは『大→小』の視点なのかなと、最近強く感じるようになった。

試合の中で、その場の現象を1つ1つ指摘して修正しても、その場しのぎのものにしかならない。なぜそういう動きが必要なのか、なぜ今それをするのか、という部分を理解して始めて自分の意思で動ける。そして、その“なせ”の部分を理解するには、まずはサッカーってどんな競技だろう?といったサッカーの大枠の部分、このnoteで言うところの『大』を知る必要があると思う。

先日の大会で、サブコーチはしきりに、「人を見ろ!マークしろ!」と言い続けていた。間違ってないと思う。でも、ボクは今、ボール非保持時の選手間の距離についてテーマとして取り組んでいるので、「マークしろ!」とだけ言っては選手間の距離は開きまくってガバガバになることが多かった。
ボクの意図としては、まず味方との距離を意識しながらプレーできるようになることが先に来て、それによってフォーメーションとはどんなものなのかを理解できると思うし、攻守での動きの理解にも繋がっていくと思っている。どちらかというと『大』に近いところから理解して、その上でマークをしなきゃいけないよね、じゃあどうしよっか?という進め方をしたい。この場合、マークは相対的に『小』に当たると思う。
もちろん、マークってどうやってするの?というポイントは伝えるし、それについてはすでに頭には入ってる子どもたちだ。まだマークをマスターしているわけではないけど。

ボクは、多くの指導者が、その場の現象をその場限りで解決しようとするコーチングがあまり好きではないようで、どうしてももどかしい気持ちになる。
間違っていることを言っているわけではないからこそ、もどかしい、難しい。

サッカーでも、『大→小』の流れで理解を進めていくことはできるし、どちらかというとその視点は『小→大』よりも難しいからこそ上手に導いてあげる必要があるのではないか。それこそが大人の、指導者の役割なのではないかとも思う。
『大→小』を理解し始めると、自然と『小』をやるようになると思う。なぜなら、結局『小』を理解しないと『大』を成功させることはできないから。でも、それに気づくには時間がかかる。指導者が我慢して待たなければならないことも多い。

我慢できなくてやらせてしまったらもうそれは「指導」ではなくて、「支配」へと進んでいる気がしてしまうので、指導者ってやっぱり大変。

どちらの視点も持てるように、そして特に『大→小』の視点を持つことはなかなか難しいからこそ、その手助けをしてあげられるように、ボクは日々学んで考えて悩んでいかなければならない。

ボクが師匠に教えてもらったように。
『大』を理解して、
“なぜ”を理解して、
みんなで成長しよう。