「学食サンプル食い逃げバラバラ事件」

すでに、学校が始まった早朝から事件は勃発していたのだろうか?

 いつも通りに朝の朝礼が開始。

  先生が、開口一番

「朝、学食のランチが実は無いんだけれど誰か知らないか?」

「食べたやついたら後ででいいから申告してくれ」

 そして朝礼はいつものように終了。

 いつどおりに、何事もなかったかのよう

生徒は皆急ぎ足で次の体育の授業のため体育館へ急いだ。

私が在籍していた高校は体育館に行く途中に学食がある。

 学食の横を通り過ごそうとした瞬間時が止まった。

 ぎょ ぎょ ぎょ‼

 見ると、

米粒やら

ナポリタンのトマトケチャップ

サラダのフレンチドレッシング

コロッケのソースと思われるものがが皿にべったりと残り

床にこびりついていた。

まさに、「○○高校 ランチ バラバラ事件」だ。

多分、見つかるとやばいから

「早く食べて証拠隠滅しましたー」

 とでも主張するかの散財具合にあの頃は感じられた。

この学校の学食では、早朝から厨房に調理スタッフが来て日替わりランチの準備が始まる。そのため、授業開始頃にはサンプルが学食の入口に並べられている。

今思えば、その衛生管理などの管理をどうしていかは謎だが1セットだけ「本物のサンプル」がいつも透明ケースに入れて飾られていた。

 結局のところ、卒業直後になっても事件は謎のままお蔵入りした。

 あれから…

大人になり今でも格差社会や子どもの相対的貧困問題が浮き彫りな時代となった。もちろん、この問題は「ローマは一日にしてならず」ではないが即こうなった訳ではない。

 私が高校生の頃はちょうどバブル経済が傾きかけていた頃だった。だとしたらこの頃から相対的貧困問題、格差社会問題は徐々に芽を出していたと考えてもおかしくはないと言える。だから、

もしかするとご飯を食べることが困難な家庭の学生が無料で食べ物にありつける苦肉の策としてこのような行動に至るとしたら何とも感慨深いものがある。







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