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【感想131】デッドプール&ウルヴァリン

 『ロキ』シリーズを見ていないとぱっと見で難しいかもしれないけれど、『スパイダーマンNWH』に続く鎮魂歌に違いないし特にX-MENシリーズを知らなくても興味は持てるぐらいにはいい映画なので過去2作見てる人はすぐに見に行ってほしい。

 ちなみに笑いは起きてたけれど、基本わかりやすい下品ネタのところだった。個人的には2か所、カメオ部分の種明かしとアメコミ関係ない他作ネタで笑いをこらえる松本人志みたいな顔してた。

他人に勧めやすい ★★★★☆
個人的に好きか  ★★☆☆☆

 結構期待してたけれど、微妙~~~~に欲しい面白さはなかったなって思った。
デッドプールのキャラがわりと影薄めになっていて、ウルヴァリン(ヒュー・ジャックマン)をピックアップしながらというのもあるせいなのでこれは仕方ないんだと思う。
なので全編通してデッドプールの色が強く出てた2がかなりハマった人は物足りない気がするとは思う。自分がそうなので。


 て、言うけど映画としては誠実さが桁違いに高い。『スパイダーマンNWH』とは別ベクトルでのケアの映画になってる。
X-MENシリーズのカメオ出演が散々言われていたけれど、そのカメオ出演も主な舞台になるTVAと虚無の世界をうまく使って、今までのシリーズ出演キャラたちを拾いつつも真っ当な理由と供養をしている。
TVAが行っている剪定=過去の打ち切りシリーズの抹消と絡めているところや、それを逆手にとってそもそも存在しなかったキャラを登場させることもできたりとMCUシリーズで一番上手なTVAの使い方をしていたと思う。
正直『ロキ シーズン2』とのつながりがわからなかったけれど、「剪定という行為で平行世界の掃除をしている」というポイントだけをもってきているのはドラマ未見の人でも理解しやすくする意味があるのかなとは思ったし、整合性つけるよりも呑み込みやすさを重視したのかもしれない。

 さらに主演2人の過去のなかったことにしたい思いや過去とリンクさせたメッセージの込められ方をもって、この『デッドプール&ウルヴァリン』で昇華しきっている。
なのでエンドロール込みで卓袱台返しができるほどふざけられる余地はなく、むしろ真面目にやったことこそが誠意を見せている証でもあるので言いはしたけどここに文句は言いづらいなぁ、っていうのは帰路について落ち着いたところでふと思った。


 もう取り返しがつかないぐらい「予習をしないといけない」「元ネタを知らないのは損」「ネタバレを食らうと面白さ半減」というイメージがつききってしまったMCUシリーズだけれど、今作は1つの映画としてとても良い側面がある作品なのでとにかく映画がそれなり以上に好きな人は過去の『デッドプール』シリーズを含めて見に行ってほしい。

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