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【感想133.5】最近見た映画の感想集③

 世間はお盆休みだけれど、私は、仕事がございます。
 夏休みは、ございません。


映画館で見た映画

ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ

 ANN0聞いてから行くことを決めた。ありがとう佐久間さん。

 70年代のノスタルジーを感じさせる演出が小賢しく感じないぐらい本筋のヒューマンドラマが面白い。
主人公のアンガスの心情変化は親元を離れて数年経ったからこそ痛感するし、途中で分かれることになった生徒同士のちょっとした会話で過ごした時間の違いを感じられたりと、特に後半のシーンで心に残る場面が畳み掛けてくる。3人の噛み合わない状態が意外と長めなんだけれど、その蓄積があるからこそ後の会話で巧い拾い方をしたりと、世に出したからにはこの尺でやる意義があるんだというのを再認識させられる。

 結構前走が長いけれど、それに見合う面白さはあるし定期的に映画館でじっくり見たい作品の1つになった。


パプリカ

 8割ぐらい見た環境のせいだろうけど、後味を噛み締めるために1時間強の散歩をするのを即決したぐらい良かった。この散歩のせいで足にまめができて翌日だいぶ苦しんだけれど。

 虚構と現実の混濁を平沢進の音楽に合わせて、さらには今敏が手掛けるエンターテイメント性が高い映像なのもあって20代後半になってから初めて見ても笑っちゃうぐらい楽しんでた。
ついさっき『回路』を見ていたせいで尚更思うけれど、ショット1つの魅力と求心力が強いとストーリーの不明瞭さによる置いてけぼりにされた人をも追走させる面白さがある作品は惹かれる人も多いよなと思う。

 出町座っていう京都の出町柳にある映画館で見たけれど、ココはオススメです。特にサブカル特化作品を見るのが。


THE MOON

 めちゃくちゃお金がかかったSFの邦画みてえだ。てのが第一印象。

 資源物資を宇宙に追い求め始めた近未来の各国が月面調査をもくろむ中、韓国で行った月面調査プロジェクトの一幕を描いた映画なんだけれど、めちゃくちゃ体育会系の感動のさせ方だったのが合わなかった。「THIE MOON、最高~!」て言わせるCMが似合う。
パイロットの3人中唯一生き残ったメンタルがタフな技術不足の下っ端成年をはじめとして、各人物が役割先行で存在していて面白味のある人物がいなかった。なので見てる間は物語の大筋をなぞってラストの展開で感動する、ていう乗っかり方を出来たらOKです。ていうお話の受け取り方をしてしまった。

 それでも訳わからなくなるぐらい月面描写が拘られていたり、一人萌え萌えすぎる女性が出てきたりと退屈する時間はなかったので見て後悔してるってほどでもないです。現代SFの映像って視点だとトップクラスに良かったし。


仮面ライダーガッチャード ザ・フューチャー・デイブレイク

 ゼロワンに続いてようやっとる枠に入るぐらい面白かった。

 本編で残っている面白そうな素材を拾って調理してるだけじゃなく、冥黒の三姉妹との味方関係が逆転したときの馴染み方や宝太郎とりんねがどういう関係の築き方をするかのヒントだったりと、本編を今後見ていく中でも新しい視点をくれるしプラスアルファの物語としてはすごく良かった。
他にもバイクシーンを若干長めに見せていたりと、やりたいことをやりきろうとしているのが節々で伝わってくるので良い製作陣に巡り合えたんだなというのも感じさせてくれる。

 ただニチアサ特有の情緒の機微があまりないトントン拍子で進むところで引っかかる人が多いと思う。正直、そういうところをこちらでカバーして見てあげるのが1年間放送するシリーズ物と付き合っていく宿命だと思ってるし、そこは仕方ないと思わないといけないかもしれない。


配信で見た映画

トイ・ストーリー4

 正直、まあまあ面白かった。

 思い入れがあまりないカウボーイのおもちゃよりカウガールのおもちゃの方がよく遊ぶっていうのは残酷だけれど女の子の正直さが観れたし、3のことがあったからこそ持ち主がいないおもちゃの存在を受け入れられる土台があってできるお話だったので、蛇足ってほどでもないよなとは思った。
でもラストの決断は全然ウッディの個人的な話だったし、女のために持ち主を捨てるような見え方をさせたのは悪い事してるなあとも思う。

 言うほど酷くもないし、5とかの続編があってもまあええか…ぐらい。むしろ3でボニーが結局アンディの思いを汲まない、自分に素直な子だねっていうのを出したのが一番の功績かもしれない。こっちが勝手に美化しちゃってたし。



今回はひとまずこの5本で。

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