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【感想78.5】最近見た映画の感想集

だいたい1000字ぐらいでパパっと書くのは意識してるけど、そこまで行く感じじゃないな…ていうのをまとめた感じ。
先月は本代と映画代、合わせて3,4万は飛んでた気がする。誰かに唾飛ばしたくてうずうずしてるわ。

愛にイナズマ(2023)

伝えたい核となる部分は一貫していることはわかるんだけど、前半と後半であまりにも向いてる方向が違うように見えてちぐはぐさが雑音になってる。
なので「これどういう映画?」と言われた時にかなり困る。

母が失踪した自身の家族の真実を映画にしたい、という松岡茉優の奔走から始まるものの、前半は業界(を通した現代への)アンチテーゼとして徹底的に見聞きしたものとカメラを通したものとの二項対立を利用して布石を打っていき、後半で嘘と真実についての種明かしや問いかけに近いものを投げかけられている。

ただ前半の業界パートがあまりにも脂の乗った私恨を感じる部分ででヘイト役になる三浦貴大がひたすら言い続ける内容がこの映画にもブーメランとして突き付けられかねないし、後半の家族が主軸になるパートも感情移入するほど入れ込めてるか?と言われると無意識に腕組みながら首をひねってしまうぐらい困る。

なので前半で強調した「そんな人いるわけない、ていう人は存在するかもしれない。」ていうセリフが悪い意味で印象に残り続ける2時間強だった。


ドミノ(2023)

2000年代作品としか思えないぐらいのド級の王道、ドう道作品。

宣伝で謳われている、捻っている感ですら真っすぐな回答を出してくるし、同じタイミングで公開された『ザ・クリエイター/創造者』とは似た者同士なうえにこっちの方がエンターテイメントとしての軽さが上回っているまである。

過去に娘を誘拐されたベン・アフレックがある超能力者との対峙をきっかけに事の真相を追っていく、というのが最短のあらすじにはなるけれど、これだけ知ってとりあえず見に行ってほしいぐらいには情報なしで行った方が楽しめると思う。

特にこれと言って記憶に残る様な面白さはないんだけれど、なんとなく買った新商品のスナック菓子が思った以上に美味しかった。ぐらいの良さはあったと思う。


街の上で(2019)、愛がなんだ(2018)

イメージとしてある邦画の特徴をいい方向にグッと伸ばしたのが今泉力哉作品の印象。特にこの2つで感じた。(サンプル数3)

『愛がなんだ』は原作があるけれど、どっちも現実にあるような会話と人間性を見せつけられるのが特徴。
カット毎に顔の寄りや手足の仕草を映して心境を観客にイメージを沸かせるようなやり方が多いけれど、今泉監督作品は引き気味で話す2人を1カットに収めた定点だったり、ほとんどが話している人物の全体を俯瞰視出来るような映し方なのが特徴的。

中でも『街の上で』での城定イハと荒川青の長尺会話は邦画の枠を超えて映画の中でも屈指の名シーンと言えるぐらい良い。
『愛がなんだ』でもマモルとテルコが終盤に差し掛かるところである、テルコの家で会話するシーンも物語的な意味も相まって個人的にはだいぶ好き。

なにがいいのかって言われると、隣で会話している様子を聞き耳立てているような気分になるほどの生々しい温度感を持っているおかげでより感情移入の入れ込み具合が補強されて、少しでも共感する要素があると痛々しさや苦しさを強く感じるし全く共感できないとよりイライラする。
『愛がイナズマ』に対するジャブにはなっちゃうけれど、フィクション臭い人間がいないのが今泉監督作の魅力的なところだし怖いところだと思う。

何がヤバいのかはこの動画一本見ればすんなりわかると思う。


爆竜戦隊アバレンジャー 20th 許されざるアバレ(2023)

こういうのでいいんだよ過ぎて終わったころには放心してた。それぐらい気持ち良いアニバーサリー映画。

『ドンブラザーズ』『キングオージャー』と縦軸を強く意識した(前者は審議ありだけど)戦隊が続いた中で、『ゼンカイジャー』までのお家芸だった時事ネタ+バカネタっていう方向を強く打ち出してたし、そういえば戦隊ってこういうノリだったなっていうのを思い出せただけでも良かったと思う。

本編では亡くなっているアバレキラーもちゃっかり復活したうえで本編でのあれこれを想起させるようなシーンもあったりと昔からのファンをサービスしまくるいい思い切りの良さもあったけれど、事情なのかロボ戦は無しで新規フォームでのちょっとした客演っぽい演出での登場のみだったのは少し寂しかった。

俺としては『復活のコアメダル』は真摯な詰将棋だなっていう肯定派の立場だけれど、今回のアバレンジャーみたいな現行の雰囲気があるからこその原点回帰もいいよなって。



とりあえず今週は『正欲』楽しみにしてます。これのために文庫本買って読んだところあるので。

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