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「毒親」の真実に向き合ったら起きたこと

「毒親」という言葉が、しばしばネット空間で使われています。おそらくスーザン・フォワード氏の世界的ベストセラー『毒になる親』にちなんだものと思うのですが、この毒親という言葉は、その特徴を極めてうまく表現していると思います。

詳しくはフォワード氏の書籍をお読み頂きたいのですが、毒親とは何かを端的に紹介しますと、「子どもに対して、遠慮なく、それが人権侵害に当たるとも思わず、無自覚のうちに、肉体的・精神的ハラスメントを繰り返す親」のことを指します。

■「家庭」という密室で行われること

毒親の問題は、職場や学校でのハラスメント以上に根深いものがあります。その理由は、親によるハラスメントが家族という「密室」で行われるためです。つまり、ハラスメント行為が表沙汰になることが、ほとんどありません。

さらに言えば、「親は子どもを養育しかわいがっているのが当然である」という(ある意味無根拠な)社会的通念も大きな問題です。これがハラスメントの実態をさらに覆い隠してしまっています。

報道をみていると、時に親が子どもを殺してしまうというひどい事件が起きています。私の感覚ですが、おそらくその殺人事案の裏には、何倍、いや何十倍もの「毒親」による被害が存在しているのではないでしょうか。

■母親から男児への性的ハラスメント

私の両親、特に母親のほうは、紛れもなく毒親の典型でした。まさかと思う人も多いと思いますがあえて説明しますと、彼女は、幼少期の私にセクシュアルハラスメントを繰り返し行っていたようでした。そのハラスメントの実態については、過去のnote記事もご覧ください。

頭の中に「自分ではない声」を作り出した、母親のハラスメントについて|高下 義弘(Yoshihiro Takashita) (note.com)

この事実を知ったのは、人生の半分をとうにすぎた40歳代も後半になって(つまりここ数年のことです)のことでした。

もちろん幼少期の頃から「それが気持ち悪い行為であり、侮辱的な行為であり、憤慨する行為である」という認識は存在していました。しかし、それがセクシュアルハラスメントに値するもので、私の精神的な問題にたくさんの影響を与えていたことを知ったのは、本当に最近です。

かつての私は、いわゆる統合失調症的な症状をたくさん抱えていました。自分の精神的な問題を20代後半に自覚してから、私は収入の大部分と仕事以外の時間のほとんどをまるまる投じて、心理カウンセリング、精神科への治療、そして瞑想などの様々な自己修養法に取り組んできました。文字通り、必死になって取り組みました。

母親から受けていたセクシュアルハラスメントの真実に行き着いたのは、40代後半にもなったある日、専門家による見解を見聞きした時のことでした。

そのときの衝撃は忘れられません。「母親による、あの嫌な行為は、一種のセクハラだったのか」と。

過去20年以上もの間に、たくさんの精神的ケアや自己修養法に取り組んできた結果、私の統合失調症的な症状は、少しずつですがかなり緩和していました。しかしそれでも、何をどうやっても頭の片隅からは「自分を無根拠に、ひたすら責め続ける独り言」が消えずにいて、これにはかなり難儀していました。

人間の意識というのは不思議なものです。母親からセクシュアルハラスメントを受けていた事実を真正面から認識したとたんに、これがすんなりと消えたのでした。私はこの明確な内的現象を体験したことから、「母親からの継続的なセクシュアルハラスメントは紛れもない事実として存在していた」と確信しました。

ひいては、自分自身を悩ませてきた数十年にわたる生活の質(QoL)の低下を招いていたのが、なんと実の母親の問題行動だったわけです。20年以上をかけて取り組んできた対策への時間と労力、心理カウンセリングなどへの実費、統合失調症により失われた数々の機会費用のことを考えると、母親から受けていた被害は、金額換算にすると数千万円台にはなるはずです。

転じて、幼少期から青年期に至る私にとって必要だったのは、お金よりも何よりも、「毒親」という問題人物の実態と、それらへの対処のための、確かな情報と支援だったのではないでしょうか。

私が受けてきた母親からのセクシュアルハラスメントには、家族の証言はありますが物理的な証拠はなく、訴訟を起こせるようなものではありません。

だからこそ、私は実名を通じて、この事実を伝えていきたいと考えています。私が遭遇してきた「毒親」のケースを世に訴えていき、一人でも多くの人に、苦しみを抜け出すためのヒントを伝えていこうというのが、このnoteを綴っている動機の1つです。

■「まともな母親の在り方ではない」と分かった日

最近、私と同じように「毒親」の元でひどい目に遭いながら暮らしていた「毒親育ち」の人と交流する機会がありました。その人の母親は、「時々、こちらの魂を食うような、猛烈な嫌がらせをしてきた。そして若い頃のある時点において、母親にもう魂が半分食われていることが分かった」そうです。

この体験談を聞く中で、ふと、そしてあらためて、気がついたことがありました。

「このおれが、常日頃、母親から受けていた、あの独特な視線や、あの独特な雰囲気は、まともな母親のそれではない」――。

私の母親は私に対して、「かわいい」「優秀だ」という言葉を使いつつ、“馬鹿褒め(ばかぼめ)”とも表現するべき妙な声かけを繰り返し行っていました。幼少期だけでなく、私がいい大人になった青年期になってもです。

幼少期の私は、母親のそれらの行為にどういう意味があったのか分かりませんでした。しかし、少なくとも良い印象は持てずにいて、どうにも素直に受け入れられない部分がありました。

いや、むしろ、気持ち悪い――。そんな不思議な感覚を、私は小さい頃から心のどこかで受け取っていたように思います。

そして、母親によるその“馬鹿褒め"はどうやら、セクシュアルハラスメントの一種だったらしい、ということが、先にも触れた「毒親サバイバー」の方の体験談を聞いた直後に、あらためて明確に認識できたのです。

まともな母親のそれではない、嫌がらせに類する声がけと視線――。私は小さい頃から、そして母親のハラスメントの実態が判明するつい近年に至るまで、「異常な関与」を受け続けてきたのでしょう。

「そりゃあ、子ども時代の私は、精神的におかしくもなるわけだ」と、私はあらためて納得しました。

■「知ること、自覚すること」から解放が始まる

話を少し戻しますと、この毒親体験を持っている人と話しながら、お互いに認識を新たにした事項がありました。

それは、「毒親の実態を知ること」と「毒親から受けている影響を自覚すること」です。

毒親の実態を知れば、自分が毒親からどのような悪影響を受けてきたのかが見えてきます。

毒親から受けてきた悪影響を自覚できれば、それをどのように抜け出すべきか、少しずつではありますが道筋が見えてきます。

この記事が、私と同じような苦しみに遭ってきた方々に届けば幸いです。

また、我田引水のようですが、こうした毒親から受けてきた影響を自覚するのに、私の経験上、瞑想が非常に効果的です。1on1(マンツーマン)の指導も差し上げていますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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