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編集者的思考法について考えた:「素朴な疑問」の効用

私は「読者体験の度合いが高いコンテンツを作り出す」という仕事柄、「素朴な疑問」をよく使います。

編集者の基本的な動作としては、
①「効果的なコンテンツをつくる」ことをめざし、
②「コンテンツを届けたい相手である読者が『何を欲しているのか』を想像する」。そのうえで、
③「コンテンツが備えている主要なメッセージをより明確化する」ことを目標に据えて、
④「そのメッセージをどう伝えるのが適切かを考えながら、コンテンツにそれを実装する」

といった具合に考え、作業を進めていきます。

上記の①から④に至るプロセス全域で使うのが、「素朴な疑問」です。

素朴な疑問の具体的な中身はいろいろありますが、基本的には「そもそも、これって何が言いたいんだっけ?」という、ある意味ぞんざいなフレーズです。

ぞんざいなものでありながら、これはなかなか使えます。特に、先にも触れた③「主要なメッセージをより明確化」するのに役立ちます。

また、編集という仕事の現場に限らず、生活の様々なシーンで「素朴な疑問」を投げかけることで、それまで突破しにくかったカベを突破できることがままあります。

例えばですが、検討している事項や問題解決の対象について、

「それは、そもそも何のためにあるのか?(やるのか?)」
「それについて、私たちは(あなたは)、なぜ、そのように考えているのか?」
「それについて、私たちは(あなたは)、なぜ、そのような状態にしているのか?」

といった疑問を投げかけていくと、多くの場合、その事項や問題のルーツ(源流)が見えてくることがままあります。

すると、目の前にある事象や問題の意味を、また新たな視点で捉え直すことができるようになってきます。


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